インコの巣の観察日記
indice de diarioanteriorseguir


2003年07月12日(土) Pochettino移籍について思うこと...

掲示板の方に書きましたが、私なりの儀式を済ませたので...完全に吹っ切ったわけではりませんが、少なくとも気持ちが後ろばかり向いてしまうことはないでしょう。これから徐々にGirondins de BordeauxのMauricio Roberto Pochettinoを受け入れていこうと思っています。

それにしても...本当に唐突でしたよね(苦笑)このPochettinoの移籍に関する記事をLe ParisianやL'EQUIPEその他スペインのメディアで読んでみても“sorpresa”って単語が出てくるんだもの。みんなビックリ!!って感じだったんですね。

ここ数日の間Pochettino(と言うか彼のrepresentante)がLigaの数チームと交渉していたことは周知の事実でしたから...。それに“no habi'a ocultado su preferencia por una vuelta en Espan~a en caso de salida.”記事にこうあったように、彼がスペインへ戻ることに抵抗がないってコトも誰の目にも明らかだったから...。

でもね、本人のコメントは殆ど拾えなかったんだけれど、いくつか目にしたその数少ない記述の中から伺えたものは「フランスでプレーを続けたい」ってPochetの気持ちでした。PochettinoがZaragozaやVillarrealよりもGirondinsを選んだ理由は判りません。何しろ彼のこの移籍に対するコメントがまだないからです。週明けのPresentacionで話してくれるかもしれませんし、本当のことは何も語らないかもしれません。

たぶん...理由は1つではなくて、色々な要素が絡み合ってGirondinsを選ぶことになったんだと思います。自分のプレースタイルとチームが取る戦術との兼ね合いや、監督との関係、あるいはクラブがどれほどの野心を持っているかとか、自分への評価(年俸提示額など)なんかも関係してると思います。それに、家族の問題もあるだろうし...そしてPochettino自身の気持ちも。あの人...スペインへ戻るときはBarcelonaへ戻るとき。そしてその時は“ピッチを去るとき”だと思っているのかもしれないし...。

移籍の経緯については、大ざっぱにしか記事を読んでいないので詳細は判りませんが、Girondinsの会長のコメントを見ると「Pochettinoの移籍とPaultaの移籍との因果関係はない」と言ってるようですが...。確かにこの2人のトレードという形は取っておりません。だってPSGはGirondinsに一般的に“移籍金”と呼ばれる契約破棄料が支払われておりますが、GirondinsはPochettino獲得のために1ユーロも払ってないようなのですから。

はい、Pochettinoは“La Carta de libertad”を手にしたんです。自由契約選手だから、GirondinsはPSGから彼をタダで連れ去ること出来たんです。商売上手いな、Girondins(苦笑)でも、まったくPauletaのことがないとは言えませんよ。だってPauletaの移籍について話し合っているときにPSGは1年契約が残っているにも関わらずそれをDejarして、Pochetを自由の身にする用意があるってGirondinsに告げたってコトが書いてありましたもん。で、先週の頭にそれを知らされてから交渉を初めて...わずか48時間で決着したらしいです。早っ!!(苦笑)

GirondinsのDFラインは若いです。だから、あのチームは経験豊かなDFを探し求めていたようです。元ValenciaのAlan Rocheに代わってディフェンスリーダーとなり得る人材を。そんなGirondinsにとってMauriはうってつけ、これ以上はないって適任者ですよね。しかもお値段はタダと聞いたら...強奪したくなるってものです(笑)

Pochettinoの決断も早かったってことになりますが、彼は彼なりにイロイロと悩んだと思います。でも...自分のことを本当に頼りにしてくれてるGirondinsのために...って思ったんでしょうね。それは...自分を切ったPSGに対する彼の意地なのかもしれませんが。

私が勝手に思っていることなのですが、あの人がピレネーを越えなかったのはフランスでやり残したことがあるからなんじゃないかしら??あの人、PSGをCampeonにしたかったはずです。Espanyolでは叶わなかったリーグチャンピオンの座に手が届くチームじゃないですか!?PSGって...。そのチームをCapitanとして引っ張ってきたけれど、結局チームには何も残せなかった。でも、そのPochettinoに“次”は用意されてなかったんですよね。

だから...“このままじゃ終われない”って思ったんじゃないかなぁ...って。


元いたチームのことを悪く言いたくはないのですが...今回のPSGのPochettinoに対する扱いについては、やっぱり憤りを感じます。確かに私は彼にPSGから出ていって欲しいと思っていました。スペインへ帰ってきて欲しいと、ずっと思っていました。でも、こんな形で“追い出される”とは思ってもみなかったです。


先日、元Real Madridの(こんな言い方、まだ慣れないけれど...)Fernando Hierroのインタを読みました。彼は薄々感じていたようです。自分に対する契約延長はなされないだろうな...って。あのAthletic戦が白いCamisetaを着て闘う最後の試合になるって。Pochettinoも、たぶん...判っていたと思います。Luis FernandezがPSGを去ることになって、Halilhodzicが後任となって...自分は新しい監督の構想には入らないだろうってことが。そして...そんな自分をクラブは売るだろうなってことを。

結局、Pochettinoの移籍ってこのHierroやあるはRedondoの時と一緒なんですよね。会長も代わって監督も代わってチームを一新しようと思うとき、一番邪魔な人は誰ですか??それは前任者の“影”を一番色濃く背負っている人ですよね。それが、かつてのReal MadridではFernando Redondoであり、今のReal MadridではFernando Hierroであり、そしてPSGの場合はMauricio Pochettinoだったと言うことです。

Pochettinoはインタで答えていましたよね!?自分は確かにLuis Fernandezが連れてきた選手ではあるけれど、誰の閥にも属してはいない...って。彼がこんな風に言うってコトは周囲の人間がそれだけPochettinoとLuis Fernandezのことを結びつけて見てるってことでしょう。彼はLuis Fernandezが指名したCapitanだったから...。


PSGが練習を再開しても合流しなかったPochettinoのことをつきさんは、「移籍の件で練習再開に参加していなかったポチェッティーノ、私、それは彼自身の意志なんじゃないかと思っていたんです。それが彼のプライドなのかな、って。本当のところはわからないけれど・・・」こんな風に仰ってました。そうですね、確かにそんな気がしますよね。誰かが犠牲にならなくてはならない...哀しいけれど、これもFutbolistaの宿命です。Pochetは自分から進んでその役を担うような気がします。



98/99シーズンのことです。Real Madridのこのシーズン最終戦はホームSantiago BernabeuでのMallorca戦でした。すでにシーズン終了後の退団を表明していたPedja MijatovicとそしてChristian Panucciにとっては、白いCamisetaを着て闘う最後の試合となりましたが、彼らも、そしてMadridistasもそのことを知っていました。だから、監督は後半の途中で彼らを交代させ、ピッチとそしてサポーターにサヨナラを言う時間を与えてくれました。私は、あの時のPedjaの涙を忘れてはいません。そしてBernabeuのピッチにキスしてベンチに下がったPanucciの姿も忘れていません。この2人の姿が...私にとっての“理想の別離”となっています。だから...サヨナラを言う間もなくReal Madridを去らなくてはならなかったRedondoのことを思うと、今でも心が痛みます。


私は...Pochettinoにサヨナラを言って欲しかった。PSGのサポーターにもそしてParcのピッチにも。


PSG系のサイトを巡ってみても...当然なんだろうけれど、やって来る人つまりPauletaの記事ばかりで、Pochettinoが去っていくことに関してはどれも付け足し記事のような感じでした。本音言えば...私はそれが悔しかった。だって、あの人がどれほどPSGに尽くしてくれたか、判らないあなた達ではないでしょ??って...。(もう1つ言えば...Cristbalに対する敬意も。あの人の引退はシーズン終了とCoupe de France敗退のドサクサに紛れてちゃんと扱われなかったように思えたのは、私だけではないはず...)

きっとParisianは判っていますよね??Pochettinoが、どれほどPSGを愛していたかを...。だって、あんなIntertoto Cupにも出場できない順位に終わった(苦笑)PSGに残りたいって彼は言ってくれたんだよ??PSGのCapitanであることを誇りに思うって言ってくれたんだよ??そんなPochettinoを“要らない”なんて簡単に言える、そんなPSGサポはいないはずですよね??


今年の冬、12月13日にPochettinoはParcに戻ってくる予定です。03/04Temporada・Ligue1の第18節がPSG - Girondins戦です。その時は...ブーイングで迎えてもらって結構ですよ。だって、私が望むものは、Pochettinoが相手チームとそのサポーターから畏れられることですから。畏敬の念をもって“Pochettinoって敵に回すと本当にやっかいな選手だ”って、言われることなのですから。

私は、今から楽しみです。PSGとGirondinsの対戦が。きっと複雑な気持ちにはなると思うけれど...。だって、やっぱりPSGは私にとって大事なクラブとなっていたことに気が付いたから。私にとって、あのParisのクラブは“Pochettinoを連れ去った憎むべき相手”でした。何度も“スペインへ返して欲しい”と思っていましたから。でも、今こうして彼がPSGを後にすると...不思議ですよね、“PSGのPochettino”がとても愛おしく感じられるのですから。

左腕にBrazalete de Capitanをつけ、先頭に立ってピッチへ入ってくる彼の姿は神々しいまでに美しいと思ったものでした。私、あの時のPochettinoの姿が大好きだった。でも、もうあの姿を見ることが出来ないと思うと...涙がこぼれそうになります。私...大好きだったんですよね、PSGのPochettinoが。EspanyolのPochettinoと同じくらい、好きになっていたんですね。


今なら素直に言える。「ありがとうございました...」と。

心からこの言葉をPSGに関わる全ての人たちに贈りたい気持ちです。2001年の1月の終わりに移籍したPochettino、PSGでプレーしたのはたったの2シーズン半。それでも、Parisianは心からPochettinoのことを応援してくれたし、Luis Fernandezは心からPochettinoのことを信頼してくれたし、RoniやFio、HugoにCristbalにDehu、LetiziにAlonsoにその他たくさんのPSGの選手たちも、彼を信じてついてきてくれました。本当にたくさんの、そして心からの有り難うを贈ります。

もう、彼はPSGのために闘うことは出来ません。それでも...どこかで覚えていて欲しい。かつて...PSGのことを心から愛し、その身を犠牲にして尽くしたCapitanのことを。


PSGのPochettinoを愛してくれて...本当に有り難う。


そして...Gabi Heinzeへ。もう、アナタのとなりにあの人はいません。でも...彼がいなくても、アナタは高く飛べるってこと、私は知ってるから。アナタには、正々堂々とPochettinoを倒して、彼を越えていって欲しい。そう思っています。

バカンスから帰ってきて、なんだかGabiは少し雰囲気が変わったような気がします。
もうポチェはいないし、フェルナンデスもいないけど、何だか自信のようなものを感
じるんです。

つきさん、あなたの仰るとおりだと思います。私も、同じように感じました。Gabi...明らかに変わりました。アルゼンチン代表としての自信と誇り、そして...Pochettinoとの訣別が、彼をさらに大きくしているんだと思います。もう、GabiにはPochettinoは必要ないんだと思います。十分成長しました...もう、1人で大丈夫!!Gabiは1人で高く飛べるから...。


私は今からPSGとの対戦が楽しみで仕方ありません。お互い認め合った者同士、ピッチの上での真剣勝負...これほど心引かれるものはないでしょ??Pochettinoは全身全霊を傾けて勝負を挑んできます。だから...Gabiも負けないよう、PSGで頑張って下さい。私はそんなGabiを変わらず、応援し続けますから...。



今まで、PSGのPochettinoを応援して下さったみなさま、本当に有り難うございました。あの人はBordeauxへと旅立ちました。もう、El jugador del Girondinsなんです。来月からは濃紺のCamisetaを着てピッチに立つことになります。けれどもどうか、変わらず彼のことを応援して下さい。見守っていってあげてください。彼はあなたのその“声”に必ず応えてくれる人だから...。


そして最後に...Bordeauxのみなさまへ。初めまして、どうぞ宜しく!!


どうか...PochettinoがGirondinsの人たちに、快く向かい入れられますように...(祈)


La Ciudad Condal |MAILHomePage