インコの巣の観察日記
indice de diario|anterior|seguir
2003年03月15日(土) |
Gracias por todo... |
もう、みなさま御存知かと思いますが、Luis Fernandez監督が今季限りでの辞任を表明致しました。
彼のコメントについては、ほしさんのサイト“博士の異常な愛情...”に、 詳細な訳を掲載して下さってますので、こちらをご参照くださいませ。
で、Luis Fernandezのコメントですが...読んでいるうちに、何とも言えず胸が一杯になってしまいました。
辞任の理由はただ1つ。成績不振の責任を取ると言うことです。 確かに、今のPSGの状態は決して良いとは言えません。 指揮官が責任を取らねばならない...このことに対して誰も異論はないでしょう。
しかし、今のPSGの惨状(私はこう呼んでも良いと思います)は、 Luis Fernandez1人に起因するものではないことも、明白でしょう。 会長以下クラブの幹部達、監督以下コーチングスタッフ、Pochettino他選手たち全員、 そして、PSGのサポーター達全ての者がその責任を負わなくてはならないはずです。 だってそうでしょ??PSGとはPSGを愛する者たち全てのものなのだから...誰か1人のせいじゃない。
Luis FernandezはPSGを愛していました、否、過去形で語るべきではありませんね。 彼は...誰よりもPSGを愛しています。だから、このクラブと共に生きることを選び、 そしてこのクラブと共に栄光を手に入れようと努力してきたと思います。 しかし、そんな彼の理想を実現するだけの財力が、今のPSGにはありません。 選手が借金返済資金として売られることほど哀しいものはありませんが、 情熱と野心とそして行動力を持ち合わせた監督が、財政難によって志半ばで去らなくては ならないと言うものも、余りに哀しいものですね。今回、それを痛切に感じました。
私は、この会見で初めて知りました。Luis Fernandezは今シーズンの戦力補強として、 開幕前にMati AlmeydaとNuno Gomezの名前をリストアップしていたことを...。 PSGの試合を見てはいつも感じていた“物足りなさ”...MatiとNunoはまさしく、 これを埋められる存在だと言えるでしょう。 Luis Fernandezに十分な戦力を与えることが出来ていたら...。
財力に物を言わせて、大物選手をかき集めて、それで勝利して何の価値がある!? Anti-Madridistaの人たちは皆、口を揃えてそう言います。 でも...戦力として考えた場合、持ち駒のクオリティが高い方が遙かに有利なのは誰の目にも明らかです。
PSGがもし、フランスリーグで残留だけを目標にするチームや、 あるいは、上手くいけばUEFA CUP出場!!なんてチームであれば、別に問題はないでしょう。 しかしPSGはそうではないでしょ??勝たなくてはならないチームでしょ?? それも...フランス国内だけではなく、欧州の舞台においても...。
チームの格と持ち合わせている財力...このアンバランスこそが、PSGの悲劇なのかもしれません。 そして、その犠牲になったのがLuis Fernandezだと言うことなのでしょう...。
以前にも書いたことですが、私はLuis Fernandezに感謝しています。 だって、あれほどまでにMauricio Pochettinoのことを信頼してくれているのだから。 確かに...Pochettinoをピレネーの向こう側へ連れ去ったのは彼です。 でも、私は知っています。あの時、もはやPochettinoにはEspanyolに留まることが許されなかったことを。 彼はBarcelonaの街を去ることを余儀なくされていた...誰にも止めることは出来なかった。
Parisは...遠い。寂しくて寂しくて、泣きながら“Pochettinoを返して!!”と言ったものです。 でも、Parisには...Pochettinoのことを信頼してくれる監督とサポーターがいました。 結果的にPochettinoの移籍先は、最も彼に相応しい場所だったと言うことです。
ありがとう、Luis Fernandez監督。PochettinoをParisへ呼んでくれて...。 今はただ、この言葉であなたを送り出そうと思います。“Adios. Gracias por todo...”
|