◇日記◇
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春だ。雪が解けて、あちらこちらで家が建ち始めた。
うちの斜め裏側の空き地にも、賃貸マンションが建つらしい。昨日から、重機が入った。
去年まで、そこは駐車場だった。
一昨年までは普通の民家があって、梅が咲いていた。
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自分自身もマンションに住みながらこういうことを言うのもなんだが、
マンションばかりの町並みは、殺風景だ。
木がない。土もない。雑草もない。鳥も来ない。
東京で、はじめてマンションに暮らした時には、あまりのコトに、毎日泣いて暮らして
いた。慣れるまで、しばらくかかった。
でも、いまこの地で私が暮らしていけるのは、慣れたから、ばかりではない。
目は新しい大きなマンションを捉えている。
しかし頭のなかでは、マンションに建て変わる前の古い民家を見ているのだ。
車の行き交う三車線道路を見ても、頭のなかでは、市電がことこと走っていた信号さえ
なかった頃の道が見える。誰ももうここにあったことなど覚えていない駄菓子屋が見える。
だから暮らしていけるのだ。
そんな風に感じる私は、違う環境になかなか適応できない
頑固な部分をたくさん持っているのかもしれない。
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