◇日記◇
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この週末、『夢顔さんによろしく』を、ものすごい勢いで読破した。
面白かった。
著者によれば、
「名門近衛家の世継ぎでありながら、放蕩狼藉の限りをつくし、……満州の辺境に
駐屯する部隊に二等兵として招集され……シベリアの抑留先で命を落とした
……名門の面汚し的なろくでなし……
世の中にそんな単純な人間がいるはずはない……」
と、近衛文麿の長男、文隆氏に興味を持ったのが、この作品のきっかけであったらしい。
この本で、文隆氏は、きわめて魅力的な人物として描かれている。
ノンフィクションとはいえ、小説なので、著者の解釈が入る余地は多々ある
のではあるが、まだ氏を知る人たちが大勢おり、また、名門の家柄の跡取りであること
からも、多くの記録が残っていることでもあり、かなり事実に即した小説なのではないか、
との印象を持った。
ただし、著者は、なぜ、氏がシベリアで命を落としたのか、について、ある程度読者が
納得できる説明を行っているが、おそらくそれ以上に複雑な様々な事があったのでは
ないかと、感じた。
生まれた時期が悪かった、と言ってしまえばそれだけなのだが、そのくらい、氏は、
歴史に翻弄され、時代に必要とされそして不要とされた、という印象がぬぐえない。
一番強く印象に残ったのは、のーぶれす・おぶりーじゅ、ということ。
自分がどのような家に生まれたか、
それゆえに何を(人生の)義務として一番に負うべきか、
を胆の底にいつも抱えた人生というものが、実際にあるのだ、ということを実感した。
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この本も、ねこぞーの本である。
「にゃんたろさん、すごい勢いで読んでいて、声もかけられなかったよ」
とねこぞーに言われた。
本当に、久しぶりに、まわりの音が聞こえなくなるくらいに、没頭した。
楽しかった。
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