A Thousand Blessings
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2007年07月29日(日) 噛み切って咀嚼せよ指令

東儀 秀樹が吹く屁みたいな篳篥(ひちりき)の音に
せっかくの日曜日の朝が邪魔されて。
おっと、勘違いされたら困る。僕は雅楽を否定してるんじゃないよ。
ポップスと共演しただけで音楽の国境を越えたと思い込んでしまうあの単純思考が
何とも表現者としてレベル低っ!って思うだけでさ、雅楽特有の楽器には何の恨みもない。
ポップスの奥義に一生触れることのない奴なんだろう。
結局、彼の考えは常に雅楽目線のポップス見下しだから。
それがこんなに分かりすぎるほど分かるというのに、彼の音楽を有難がる連中には
それが見えないという面白さ。だからこそ、インチキ商売も成り立つわけで。
いいと思うよ。金を使うのは個人の勝手だから。
東儀 秀樹には音楽文化の発展に障害となるほどの毒もないから、
まあ、横で屁をこかれて不愉快になる程度で済むけど(笑)。
とりあえず、あのノッペラボーな表情でまじめに音楽を語る番組を朝から見せられたくないわな。
日曜なんだから。

あの番組のかつての司会者の黛敏郎は大政翼賛ウヨク野郎で、
くっだらねーウヨク思考を始終ちらつかせていたが、
それでもまあ、彼自身があれだけ凄い音楽を創れる人だし、音楽に対して確固たる信念もある、
それがあの番組を見させてしまう理由になっていたのだが、
今はもうほとんどただの音楽好きを自認する善良な人々のお慰み番組へと堕ちているな〜。
「内容のない音楽会」ってタイトルに早く変更すべき。いますぐ、すべき。


CDショップの店頭に積み上げられたヒーリング物の山のなかから、
「今夜はこれで癒されようかしら・・。」なんて一枚選んで購入してしまう
寂しいOLの現実はそれはそれでリアルだが、でもあのクズの山にはクズ以外ないことに
早く気づかなきゃ、ダメよ。


とりあえず、くるりを聴け。スガシカオを聴け。あらきゆうこを聴け。チェット・ベイカーを、
マイルス・デイビスを、ジェリー・マリガンを、アトミックを、デレク・ベイリーを、
ビリー・ホリデイを、オーティス・レディングを、ブライアン・ウィルソンを、
アレサ・フランクリンを、ジョニ・ミッチェルを、グレン・グールドを、マーラーを、
シベリウスを、エドガー・ヴァーレーズを、プーランクを、アイヴスを、ジョー・マネリを、
オーネット・コールマンを、小谷美沙子を、聴け。


ヒーリングCDマニアの嗜好(思考)って・・・、
テレビのグルメ番組で、どいつもこいつも「柔らかい〜!」って、
柔らかい肉こそが旨い肉だと思い込んでいる、あれとそっくり。
何度も何度も噛んでいくうちに旨みが分っていくもの。なまじ柔らかければ、すぐに飲み込んで
あっという間にウンコだろうが。


味わい尽くせよ。音楽を。
耳で聴くだけじゃダメ。口に含んで、舌で舐めまわし、歯を立てて、
固さを確かめ、最後に噛み切って、咀嚼せよ。 

そして、飲み込むのだ。
 





響 一朗

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