A Thousand Blessings
2004年1月〜最新ひとつ前に戻るひとつ先に進む


2007年07月23日(月) スガシカオの色










「心配なことがあるの」

「なあに?」

「スガシカオは残れるかな?」

「どういう意味?」

「彼の音楽って、どれも何となく色のイメージが似通ってるじゃない?
 もっといろんな色の曲が書けないと飽きられるんじゃないかな?って。」

「そういうことかぁ。それは心配ないな。」

「どうしてそう思えるの?」

「彼の音楽の色ってさ、≪青≫だと思うんだ。」

「うんうん」

「でも青にもいろんな青があって、ある時はそのまま青空の≪青≫だったり、
 別のある時は蒼ざめるの≪蒼≫だったり、紺碧の≪碧≫になったりするんだ。」

「うん。わかる、その感じ。」

「僕は彼の音楽にいろんな種類の色を求めてはいないんだよ。
 というより求める必要がないくらい、彼の≪青≫という色には
 さまざまな濃淡があって、僕はその違いを楽しむだけで
 十分満たされるんだよ。」

「そうなんだぁ。そうだよね、濃淡はそのまま音楽の印象の違いになるよね。
 みんな似てる感じがしても微妙な味わいという部分では
 全部違うってことね?」

「そういうことだね。青の深度がそれぞれちがって、
 明るい青なら“午後のパレード”少し暗めの青なら≪夏陰≫、
 もっと深い青になると≪黄金の月≫みたいな?
 そんな風に全部違っていくんだよね。だから、彼の音楽は一色だけど、
 バリエーションはものすごく豊富でそれぞれが価値あるものなんだ。」

「私たちは、色の種類を多く持ったひとを凄いって思っちゃうけど違うんだね?」

「ううん、それはそれで凄いことさ。桑田は天才だと思うだろ?」

「思う。。」

「そういうことさ。いろんな才能があるってことだね。僕ら聴き手の耳と意識を
 いつもニュートラルにしていればどの才能に対しても反応できるからね。」

「頑張ろうっと!」

「うん。」

「ちなみに、あなたが一番好きな色も・・・」

「そ、青だよ♪」

 


響 一朗

My追加