A Thousand Blessings
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2006年08月20日(日) オールマン・ブラザーズ・バンド「ライブ・アット・ザ・ビーコン・シアター2003」

グレイトフル・デッドからはさほど感じられず、
デッド・フォロワーの代表格PHISHからはビンビンに伝わってくる
ヴァイブレーション。言ってる意味わかるかな?グルーヴという風に置き換えても
いいかも。レイドバックしすぎたり、薬でラリったり、意味不明な方向に
ユルユルのインプロヴィゼイションが迷い込んでいくことがなく
音楽の構成という面でもしっかりしているってこと。
僕が知る限り、PHISH出現以降PHISHと肩を並べるバンドは
存在していないと思う。世間では、そういうのをジャムバンドって呼んでるけど。

さて、オールマン・ブラザーズ・バンド。
その活動のピークが「フィルモア」での一連のライブ録音として残されているのは
ロックファンの多くが知っていることだが、実は、その後、
数十年に渡るオールマンの歴史に関してはあまり顧みられていないというか
少なくともメジャーな音楽誌で特集を組まれる事はほとんどなかったといっていい。
僕もデュアン亡き後、ディッキー・ベッツ主導型ライブの最高傑作「熱風」以降
急速にオールマンとは疎遠になる。年に数回「フィルモア・イースト」や「イート・ア・ピーチ」を取り出して聞くくらい。
レコード・コレクターズの最新号でそのオールマン・ブラザーズ・バンドの特集が組まれているのだが、
冒頭の青山陽一(日本屈指のギタリスト&ソングライター)の文章を読んで
「おおおお!」と唸ってしまった。
知らないことがいっぱい書いてある。それも最近のオールマンの凄い状態について!
青山陽一、一押しのDVD「ライブ・アット・ザ・ビーコン・シアター2003」(2枚組)を
迷うことなく購入。失業中でも購入。明日が見えなくても購入。現実逃避で購入。




デュアンの真の後継者としてグループに加入したデレク・トラックス
(24歳。オールマンの名ドラマー、ブッチ・トラックスの甥っ子)のプレイを観て聴いて、
驚いた。決してギター・フリークではない僕もこの若者の目の覚めるような
フィンガーピッキングやアイデアの洪水のごときアドリブ・フレーズには
マジで鳥肌が立った。もちろん、彼のスライドプレイに故・デュアンを
見てしまうのだが、彼が際立っているのは、構成能力とでも言ったらいいかな?
どこへ行くのか判らない冗長な迷走型アドリブプレイに決して陥らない点である。
つまり、ナルシストタイプの真逆なのだ。11歳(!)からオールマン・ブラザーズの
ウォーレン・ヘンインズに目をつけられていたこの若者はどこまで成長するのか
ちょっと想像できない。たとえば、代表曲“ウィッピング・ポスト”や
“ステイツボロ・ブルース”でのプレイを聴いてもらいたい。
リズムに対するシャープな反応に誰もが驚くにちがいない。
彼は演奏中、真後ろにいるジェイモー(ブッチとジェイモーのツー・ドラムスは
結成当時から変わらず)のドラムスを聴いているという。
ジェイモーが出す音のサインでアドリブに入ったり引いたりするタイミングを
計るという。この辺は、DVDのディスク2に収録された素晴らしく音楽的な
インタビューで語られている。現在のオールマン・ブラザーズ・バンドは、
先ほども書いたいわゆるジャムバンドの範疇に入る演奏形態を主としているが、
その音楽的レベルが半端じゃなく高いのだ。オリジナル・メンバーは
ブッチとジェイモー、それにグレッグ・オールマンの3人だけ。
グレッグの声は全盛期に比べて、声量が落ちているがそれでも技術はある。
二人のドラマー、ブッチとジェイモーに関して言えば1971年以上かも。
バンドアンサンブルにおける実質的なリーダーのウォーレン・ヘインズは、
完璧なギター・マスターだし、ベースのオテイルとパーカッションのマークも
他のメンバーと比べて何の遜色もない。
あっという間に見終えた163分間(!)のライブと93分間(!!)のインタビュー。

で、最初の話題に戻るが、
PHISHの傑作ライブ「ニュー・イアーズ・イブ1995」(3枚組)
「ライブ・イン・ブルックリン」(3枚組)に圧倒されている僕だが、
PHISHと肩を並べるバンドが存在していたということを言いたかったのだ。
1971年まで戻る必要はない。今、現在もそのバンドはPHISHと肩を並べている。
いや、PHISHは解散したから、オールマン・ブラザーズ・バンドだけに
なってしまったか。  孤高だな。




・'゜☆。.:*:・'゜★゜




テレビ朝日のドラマ「下北サンデーズ」まだまだ未熟者です←ココクリックの第6話をみた。
ここ数話は僕の知らない脚本家と演出家が担当していたのだが
何となく面白くなかった。ストーリーとかテンポとか、カメラワークとか。
今日は本来の河原雅彦脚本、堤幸彦演出に戻っていて
実に良かった。僕の好きなコメディって、こういうタイプなのよね。
上戸彩のコケティッシュな魅力は、どこ弁だか分からない方言とあいまって
今や、全開状態。里中ゆいかの画像も弾けてるぞ!









響 一朗

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