A Thousand Blessings
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2005年07月04日(月) 雨の日と月曜日は、ポール・デスモンド。。。

公休日。冷たい雨。
身の回りがせわしなくなっている、昨日今日。
大きく何かが変わろうとしている。吉と出てほしい。

10時に起床、顔を洗って、コーヒーを飲みながら
ポール・デスモンドを聴く。かつて(今も?)軟弱ジャズと言われ
ジャズ好きの古い友人からバカにされていたデスモンド。
デイブ・ブルーベック・カルテットの“テイク・ファイブ”の作者であり
極めて優れたサックス奏者でもあるのだが、
いわゆる「ジャズは黒人に限る!」的な連中からは
不当な扱いを受けてきたんだなー、実際。

で、僕は隠れデスモンドファンとして、一度も仲間の前では
彼の名前は口にせず、家に帰ってひっそりと密造酒でも
楽しむかのように背中丸めて至福の時をすごしていたのだ。
デスモンドは極めて高いレベル(技術・センス共に)でのプレイをさりげなく
こなしている。ストイックという表現が似合う。
かといって、同じ白人でもリー・コニッツのように自己の要塞を冷徹な理論と
唯一無二の個性(技術・音色etc)で築き上げていくタイプではない。
聴き手を突き放さない程度にストイック。聴き手に感情移入させる
余地はしっかりと残す。それがポピュラリティーを生み出す
要因となるのだが、それを「頑固なジャズマニア」は
許せないらしい。

ブライアン・ウィルソンのDVD「スマイル」のなかで
彼がガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」の第二テーマのメロディを
ピアノで演奏しているが、あの部分のメロディに共感できる感覚を
僕は信じていたりする。
30年前、僕のジャズの師匠は「ラプソディ・イン・ブルー」を
クズと言い切った。
あれがジャズであるかどうかはともかくとして、
ああいう音楽にも共感できる気持ちを持ちつづけながら
コアなジャズにも適応できるのが理想ではないか。
つまり、なんでも聴ける「順応性」が人生をより豊かなものに
していくと思うのだが、得てしてそういう順応性は
日和見・己がないといった理由で迫害されたりするのだ。

雑食結構、大歓迎だ。っていうか、雑食嗜好を僕は信じたいね。
ブタになりなさいよ、ブタに♪

そういえば、ポール・デスモンドって
チャーリー・パーカーが愛した演奏家らしいね。
さ、モダンジャズマニア諸君、どうする?どうもしないか?



アルバム「Take ten」(1963)


響 一朗

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