Rollin' Age

2004年10月08日(金)
 流行の正体

 ああいったテレビ番組が、主婦のお買い物の羅針盤となったのは、いったいいつの頃からなんだろうと、常々疑問に思う。みのもんたに始まり、爆笑問題やらビートたけしやら芸能人やら繰り出して、これは体に良いだのこれは体に悪いだの、と。黒豆、アミノ酸、にがり、ポリフェノール、納豆、黒酢、イソフラボン・・・。どれもこれも、小売店に販売動向を尋ねるたびに、「この前テレビで取り上げられて何倍にも売り上げが伸びました」。

 「消費者の健康志向の高まり」というのは良く言われる。一方で、メーカーは特売の対象にならない、付加価値が高く利益率も高い商品を求めている。その消費者とメーカーをうまいこと繋ぐのが、テレビをはじめとするメディア、そういう構造。それにしても、一回の報道で売り上げが数倍になるなんて、主婦をはじめとする消費者の方々、踊らされすぎじゃないだろうか。

 健康に良いとされる食品は、なるほど確かにその成分は一定の効能を持つのだろうけれど、いくら特定のモノを多く摂取したところで、他の様々な栄養素も含めバランスよく取ることこそが大事だろうに。もちろんそんなこと、賢い消費者の皆様は分かっているのだろうけれど、それにしても、なぁ。

 そんなことを思いつつ、今度また、「こんな商品が健康に良いとして注目されはじめてますよ」という記事を書く。嘘を書いているわけじゃない。だけどこれが何百万の人の目に晒され、「兆し」を「流行」に仕立て上げるのに関わっているのかと思うと、世の中の流行りなんてそんなもんかと小ばかにする気持ちと、そこはかとない恐ろしさと。

 だって、俺は、自分が紹介した商品を、一口も食べていないのに。 
 コンビニおにぎりで栄養を摂取している身分なのに。

 何が健康。何が栄養。


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なな

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