オトナの恋愛考
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2016年02月17日(水) パラレルワールド


先週末、約2ヶ月ぶりにひろと逢った。

これが最後かもしれないと思っていたけど
「また来月も逢いたい」と彼は言った。

赴任先への引越しだとか引き継ぎだとか
いろいろ忙しいはずで、私は無理しないように、と伝えた。

まったく夢を見ているようだ。
毎月、当たり前のように逢いに来てくれた彼が
今度いつ逢えるかもわからない場所へ行ってしまう。

毎月第一週目の週末に逢う事が当たり前だったのに。
だから私は最近ではそうそう「これが最後かも」なんて
思わなくても良くなっていたはずだった。

それが

4月から、いや来月だってわからない。
今度いつ逢えるのかわからないような生活になる。

この6年間の彼との思い出が走馬灯のように脳裏に浮かんだ。
いちいち思い出す事がなかったたくさんのシーンが
溢れるように私の日常を満たしている。

1月に彼の父方のおばあちゃんが亡くなった。
母親代わりに育ててもらったと前から何度も聞いていた。
先週末逢った時に彼が20歳頃に一緒に撮ったという写真を見せてもらった。

まだ幼さの残る若々しいひろとニコニコ微笑んだおばあちゃん。
それから彼のご両親やご兄弟、親族の写真も見せてもらった。
お葬式の時に実家でみつけた写真を保存してきたそうだ。

彼はお父さんに良く似ていた。
三人兄弟の中で彼が一番似ていた。
少し日本人離れした目鼻立ちのはっきりとした風貌。

そのお父さんも葬儀の後に体調を崩して
いつ何時何か起ころかわからないような状態だそうだ。

肉親の死と転勤と引越しと仕事の引き継ぎと
そんな忙し中で来月も逢う日を決めたけど
もしかしたらそれは叶わないかもしれないと覚悟した。

でも、
「また逢おうね」とひろが言ってくれる限り
私は3年でも10年でも20年でも彼をひたすら待てる気がする。

私の人生はパラレルワールドのようだ、と思った。
日常と非日常の積み重ね。30代後半から今まで本当に。
最近は平穏な日々が良いと思い始めたよ、とひろに言った。

「うん、もう冒険はしなくて良いんだよ」

この彼の言葉の真意は私にはわからない。


夢うさぎ |MAIL

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