2008年09月30日(火) |
(マイネ創作)クリスマスパーティ |
「―――……」 絶句。 色とりどりの布切れが部屋中に散らばっていた。 開け放された窓から吹き込んだ風が、それらを美しく舞わせる。
ほんの少し部屋を空けただけなのに。
元々、たいしたものなど有りはしないが、盗られた物はどうやらなさそうだ。 質素な木箱に入った命より大事なリボンは、当然のように無事だった。 だが、この状況では、クリスマスパーティへの参加は断念せざるをえないだろう。 エスコートしてくれるはずだったオルフェには申し訳ないと思ったが、そうなったことで逆に、リゼッテの心は安らかだった。
オルフェは美しすぎるのだ。 その容姿も、その魂も。 何もかもを神に祝福されているような気さえする。 いや、実際そうなのかもしれない。
彼の傍にいると、その光に焼き尽くされてしまう、そんな錯覚を起こしてしまうのだ。
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