新成人の皆様おめでとうございます。 朝来のことも祝ってやってください。
朝来の実家は北の国なのですが。 成人式はやっぱりこの季節です。 隣の隣の町は夏にやってたけど。
ちなみに昨日でした。 吹雪でした。 赤い着物でした。 周りも赤ばかりでした。
おめかしをさせられ、着物を着て、成人式でした。 ちなみに、やっぱり落ちつきのない朝来。 着物の袖を破きました。 ……これを機に本気で大人にならねばです。
朝来は母上に着付けてもらいました。 前日に 「お母さん帯結ぶ練習してないのよー」 などと言われた時には本気で当日予約のことを考えたものです。 とにかく、母上のおかげで、馬子にも衣装でした。
同級生達に会ってきました。 皆本当に久しぶりな上に、めかしこんでるもんだからさっぱりわかりませんでした。 かくいう朝来も、結構気付いて貰えなかったりしたんですが。 懐かしかったです。 そしてはしゃぎまくってきました。 はしゃぎ過ぎて、セクハラしてくるヤツもいました。 内々の二次会とはいえ、警察にぶちこんでやりたかったです。 まぁ。まぁ。過ぎた事。
朝来は今回の成人式を待っていました。 かなり前から待っていました。 楽しみに、という気持ちではなく、ただ、待っていました。 会って、決着をつけたい人がいたからです。 でも、案外あっさりしてました。 肝心な奴が気付いてくれませんでした。 わざわざビールを一瓶差し入れとしてもって行き、 「私のこと、覚えてる?」 と聞きました。 向こうは、 「ごめん、わからない」 と言いました。
月日は流れるのです。 こちこちという時計の針が動く音などするわけもなく。 時は流れているのです。 今この瞬間も。 無音で、透明で、触ることも出来ないけれど。 私達のすぐ目の前を通りすぎているのかもしれないのです。 聞こえない声で、私達の耳に語りかけているのかもしれないのです。
月日の移ろいのなんと速いこと。 人の記憶のなんと儚いこと。
私の幼稚さの、なんと愚かなこと。
小さな私も、そろそろ箱の中から出るべきなんですね。 パンドラの箱は希望だけをその中に留めていました。 私は、些細な恨みを、誇大にして、凝縮して、小さな私に押しつけて。 箱の中に閉じ込めていましたが、もう、良いんですね。 解き放つ、頃合なんですね。 縛っておくものは、もうないんですね。
彼は大人になっていました。 相変わらず馬鹿だったけど。 でも、許容してやれる大きさがなかった私が、一番子供だったんですね。 私も、大人にならなければなりません。
成人式。 晴れの舞台。 まだ幼さの残る面々。 過去の清算。
新たな門出。
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