あたしと彼のこと
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森の中、一本の木の枝から葉っぱが落ちて、隣の木の横に舞い落ちる。 葉が落ちるのは大した事では無いし、落ちたからといってお互いの距離 もかわらない。落ちた、というそれだけのこと。しかし葉はいずれ木々 の肥やしになる。
いま外は風がとても強い。 窓ガラスが割れそうなくらい揺れて、電線にあたった風がぶぉうと唸っ ている。あまりにもその音が大きかったので、彼にメールした。
「すごい風だねぇ、台風みたいだねぇ」
それだけのメール、返事はこなかった。 きっと以前のわたしなら寂しがっていたけど、さいきんは違う。
このメールは、落ちた葉っぱなのだと思う。 そういう距離を、さいきんのわたしは身につけた。
そして、その距離は結果、彼との関係を近付けているよう。 でも近付いたのはこころだけで、位置している距離は変わらない。 どうやらその距離はもともと変わらなくて良いものだったよう…。
そして今回「近付いた」と思っているのはわたしだけ、彼は変わらない。
でも、わたしが変わったことに、彼は気付いていると思う。
だからなのか、彼が変わり始めていることに、わたしも気付いている。
わたしは彼のなにかを気付いてあげることしか出来ない。だから沢山の ことに気付きたいと思っている。そうすることは彼の隣にすくと立って いる沢山の木々のひとつである、わたしという人間が出来ることだから それだけは気を抜かないでしていきたい。
これは、わたしなりの彼へのちょっとした決意のこと。 彼に、自分のベストを与えるための決意のこと。
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