あたしと彼のこと
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2001年12月08日(土) 待つきもち

夜になった、結局彼からの連絡は無し。
そろそろですねと言うあの声は、遠く過ぎて聞こえなくなっていた。

「言う気持ち」が、なんだかどうでも良くなってしまったのだ。

正確には、どうでも良くはないのだが、一杯になったはずの器の容量が
増えたのか、溢れていたはずの液体が減ったのか、どちらなのかは分か
らないけど、確かにそれは、静かに余裕をもっている。
そして、なおまた溜まろうとしている、でも、たぶん当分は溢れない。

今日は朝から本屋巡りをした。
ここなら在る、と思って行った本屋のどこにもそれは無くて、あげくに
図書館にまで行っても貸し出し中&予約満タンにつき、これはもう、と思い
近所の本屋で注文した。

本は二〜三週間ほどかかるらしい、すこし長い、でも良い。
何週間かかろうと一ヶ月かかろうと良いのだ。
それが読めるのならいくらでも待つ、読めるのだから、その為に待つ時間は
すでに愉しみのひとつとなっているのだよ。
本屋の店員に、よろしく、と穏やかに言って家に帰った。

いつか読めるのと同じく、いつか言うのだ。
言わずに終わる事は、きっとしない、いつ言えるのか、なぜ言えないのか
そればかり気にしていたが、言う時は必ず来る、それは刻々と近付いている
だから「言う」と、そう決めたそれだけで、私は満ちて落ち着いた。

いま言わなくても良い、いつか言う。
それをいつ言うのか約束はいらない。


桑田そら |MAILHomePageBBS

読んでくれてありがとう。

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