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2006年02月11日(土)
最近カフェを巡るのが好きになった。 食べ歩きとか、そういうことは好きではなかったし、そんなことばかりに心血を注いでいるOLなんか軽蔑していたのに。今では情報誌を買い、会社の先輩から情報を仕入れ、いろいろなカフェに足を向ける。 食べることにそれほど興味ない恋人(でも食べることは好きらしい。ようするに食べるのに支障がないおいしさがあればいいのだという)をつき合わせる。幸いコーヒーは好きなので文句は言わないのをいいことに。
今夜のカフェは天井がとても高い。 周りは問屋の町なので夜はとても静かで、木に巻きつけてある青い光だけが煌々としていた。 ふかふかのソファーに体を沈めて、私は桃とカシスのスムージーを、恋人はブレンドを頼む(恋人はどこでも同じものを頼む)。
恋人は優しい。優しくないときもあるけれど、基本的には。 私はとても甘やかされている。愛されている、過不足のない日々。 けれど。 恋人には恋人の世界があって、私は決して近づけない。 私たちは何もかも正反対で、一緒にいてもとても遠い。 そんなことに気付く夜が、気付かされる夜がたまに訪れる。 今夜はそんな夜で、私は絶望的な気持ちになる。 なにもかも一緒なんてありえないのに。そうであればよかったのに、と。
さんざめく店内で、不思議に黙ったままで、夜がふけていく。
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