「好きでいることに疲れたの。」 |
「わたし、あの人が好きなの・・・。」
彼女がそう言ったのは、まだ寒い今年の始め。 少しうつむき コーヒーカップをいじりながらそう呟く彼女は 確かに「恋」をしていた。
それから10ヶ月が過ぎ また寒い季節が来る頃、 彼女は、彼の話をしなくなった。
「・・・そういえば、最近話が出ないね。」
「うん・・・そうかな。」
食べかけていたサンドイッチを皿に戻し、 彼女はちょっと溜息をついた。
「あたしね、もう、疲れちゃったんだ。」
「えっ?」
「片想いでいることに、疲れたの。」
「・・・そっ・・・か。」
「ごめんね、いろいろ相談聞いてもらってたのに。」
「ううんそんなこと。 ・・・でも・・・それでいいの?」
「もういいの。もう、あのバイトもやめるし。」
「もうすぐ就活かぁ。」
「それに、向こうも就職決まってるし、 大学卒業したらどっちみち離れ離れだもん。」
「自分の気持ちは伝えないの?もう会えないかもしれないのに。」
「うん・・・。言ってもしょうがないし。」
「しょうがないとか・・・そういう問題じゃないでしょ。」
「でも・・・もう、そのときまで想いつづけて、 離れるの分かってて好きでいるのがツライの。」
「・・・。」
「・・・つーわけで!今度飲み行こ!」
「(苦笑。おっけー。」
こうして、 彼女の片想いは終わった。
・・・・・・・・・・のか?
諦められないから10ヶ月も好きだったんじゃないのか?
でも、ツライ気持ちは分かるから、 そっとしておいてあげて、イイよね?
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2001年12月07日(金)
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