2021年01月27日(水) |
「つぶくさん」と呼ばれたスーツの話 |
濃紺の地に、それより多少明るいぐらいの紺〜濃い青のストライプのスーツをもう10年ぐらい着ている。いつから着てたのか忘れたけど、A○KIで買った記憶がある。そして2011年度に勤務していた浦和支社で着ていたのは間違いない。
浦和支社に当時「つぶくさん」という人がいて、その人が着てるスーツと完璧にカブっていたので、おれは自分が来ているそのスーツを「つぶくさん」と呼んでいた。嫁にも「つぶくさん、そろそろクリーニング出しといて」とか言ってて、それで通じた。もはや嫁はそのスーツのことを覚えていないらしいが。
そんで、その「つぶくさん」の左尻のポケットについに穴が開いた。今日、帰るときに気づいた。習慣としてスマホを左尻のポケットに入れているので、そもそもその部分は傷みが激しいのである。それで去年は二本もスーツを駄目にした。そのいずれもツーパンツ、というのを買っていたので、一本駄目になっても、替えはあるんだけど。
でも「つぶくさん」はツーパンツで買ったわけではないので、替えはない。よってもう「つぶくさん」は成仏ということになる。さよなら、「つぶくさん」。
スーツは仕事着であるし、結構酷使するけど、この10年ぐらい、そこまで体型が変わっていないこともあり、あまり買い換える機会がない。一着をとても長く着る。だから自然、愛着がわくということなのか、「つぶくさん」との別れが寂しい。手持ちの紺基調のスーツが、ほかになくなってしまうということもあるけど。
ものに執着しない。思い出に執着しない。それはそれでステキなこととも思うんだけど、ものを通して、これまでの自分を見つめ直すことを、自分はやってきたなあと。だからそういうものとの別れが、一段と寂しさを募らせるのである。
ところで「つぶくさん」は元気なのだろうか。2011年当時に64、5歳ぐらいの人で、加齢臭がきつすぎる人だった。
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