昨日の日記に書いた営業の訪問先ってのは、実は音楽事務所だったんです。 見た感じは普通の民家なんだけど、玄関を上がってすぐ左のドアを開けると…そこは別世界でありました。 入るとすぐに左側にめっちゃでかいミキシング卓(っていうのか?)がデデーンと鎮座しており、その部屋の奥には二重のガラス窓の向こうに音楽スタジオがあって…ほえ〜と思っておりました。 社長が来るのを待ってる間にちょっとスタジオを覗いてみたんだけど、広さは大したことなくて…たぶん10畳くらいしかなかったと思う。社長以下、社員わずか3人の小さな事務所…。
その後、社長が来ていろいろ話をしてくれたんだけど、この事務所は歌モノはあまりやってなくておもにインストを手がけることが多いとのことでした。小さい事務所だから社長の営業力がすべて…という感じで、若い社長(多分40そこそこ)ながらがんばって仕事を取っているみたいでしたが、それでもいつ潰れてもおかしくないくらい経営は大変とのことでした。
なぜなのか聞いてみたところ、これが昨今の音楽事情が背景にあるようなんです。つまり若い人たちがCD屋に行っても流行モノしか結局は買わなかったりとか、浜崎なら浜崎で一人のミュージシャンしか聴かないとか、今はそんな風潮があって、昔のようにレコード屋の隅から必死になって一枚のレコードを見つけ出す…というような楽しみ方をする人が減ったのが一番イタイんだそうです。
社長の話を聞いていて、なんか衝撃を受けました。ぼくたちリスナーが自ら日本の音楽業界を滅ぼしつつあるんじゃないか…という思いにとらわれて。 まあ、社長が言ったのはごくごくアタリマエのことではあるんですけど、業界にいるナマの人からそういう言葉を聞くのは意外にショックだったんです。ぼくも音楽ファンの一人として。
「チャートの上位曲だから、買って聴いてみる」ってのは、ぼくは必ずしも反対はしません。そういう楽しみ方をする人もあっていいと思うんです。 でも、買って聴いてみて、それがいいのか悪いのかは自分で判断してほしいと思うわけです。「みんなが聴いてるから」とか「評論家が言いと言ってるから」とか、そういうどうでもいいことに振り回されて何となく次のシングルも買ってしまうとかっていうのは違うと思うんです。「評価は自分の耳でする」ってことですね。「趣味は音楽を聴くことです」って言ってる人たちの中にも、こういう最低のルールを守れない人っているんですよねー。
なんにせよ、日本のミュージックシーンにおける淘汰は間違った法則のもとで行われている気がしてなりません。いずれ日本のロック・ポップス界は滅びるというか、無価値なものになるんでしょうねー。本当にいい音楽をやってる、ぼくらの好きなミュージシャンたちが10年後も残ってくれていたらいいなあ。とりあえず、「売れないから」という理由で潰れてほしくはないですね。
長文のうえ、オチもなくて、ごめんなさいねー。(汗)
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