2013年07月27日(土) |
「風立ちぬ」みてきました |
話題の新作ジブリ映画、「風立ちぬ」を観賞してきました。えあですこんにちは。 基本的にジブリは非ファンタジー回はあまり見ないのですが、
「今回のジブリはホモい!!!!!」
と小耳に挟み、これは見ざるを得ないといそいそと映画館に足を運びました。
ホモォ┌(┌´∀`)┐ホモォ
結論を申しますと期待したほどホモくありませんでした。 しかしそう感じたのは私の感性の未熟さゆえかもしれません。例えばカツオ君と中島の仲を疑う上級腐女子閣下におかれましてはこの作品の濃度でも十分にホモく感じられるかもしれませんが私はせいぜいピッコロさんと悟飯の公然の仲をほのぼのと見守る程度の下級腐女子にしか過ぎませんので、この作品はごく普通のラブストーリーのようにみえました。 こんな事ではいけませんね。もっと精進いたします。
と己の腐女子力をより一層磨くことを誓いつつ映画の感想ですが、今回の「風立ちぬ」、これは私的には、近年のジブリでは最高の傑作だと思いました。 あ、以下物凄い勢いでネタバレですので見ておられない方はご注意ください。
ここ暫くのジブリは、どうも何かが足りな過ぎるか逆に余計なものが多過ぎる気のする作品が多く、酷い時はイライラし過ぎて内容を検討する気力も失せるレベルだったものですがポニョとかポニョとか、今回は全く過不足のない内容で、最後まで心地よく楽しめました。 決してエンタメではないので山場谷間を期待して見ますと多少薄味かとは思いますが、多分に文学的というか私小説的な雰囲気は好きな人は好きだと思います。
戦争の道具になることを知りながら、それでも飛行機を作りつづける。この点について常に意識を向けつつも、葛藤には一切焦点を当てなかったのが、この物語の透徹した雰囲気の象徴であるように思えました。 良心の呵責に煩悶し、七転八倒しつつ道を歩むのではなく、既に覚悟は出来ている。けれども決して冷血ではない人の、ただ飽くことなく夢を追う純然たる意思によってのみ支えられる真っ直ぐな姿勢は、私の背筋をぞくぞくと震えさせました。 現代人の正しい倫理観では受け入れがたい「覚悟」でしょうが、こういう技術屋特有の一途さ、或いは傲慢さと言ってもいい信念は、私には非常に快いものに感じられました。
飛行機への情熱とヒロインとの結婚生活に共通するテーマ、「結末を覚悟して臨んだ美しい夢」が全編に渡って切なく強く暖かに描き出され、ラストシーンに於いて昇華されます。 全ての夢の終わったそのときの、覚悟の向こうにあった虚無。そしてその虚無すら超えたところにあった、飛行機に対する、ヒロインに対する、今迄追い求め続けた、そして喪われてしまったものに対する圧倒的ないとおしさ。喪失感の灰の中に蘇る、原初の想い。 私はこの結末をそのように解釈しましたが、そういった清く澄み渡る純然たる諸々が、渇いた喉を潤す冷たいお水のように、私の心に染み渡ったのでした。 ああ、綺麗だなあ。
……美しいと綺麗しか語彙がないのか私には!( ´∀`)
あ、噂に聞いていた声優の問題もまあ思っていたほど酷くは感じなかったです。私は。気になるって思ってもしょうがないかなの境界線くらいで。 あと声と言えば、飛行機の効果音が一部、何で人の声なんだろ……? と首を傾げてしまったのですが、あれ一部じゃなくて全部人の声で効果音を作ってたのだそうですね! なにそれ面白い。先に知ってそのつもりで聞きたかった。
しかし次郎さんは優しい人ですね。ありえないくらい○○である、という人物造形はジブリの十八番ですが、このありえないくらいの懐の深さは紛れもなく受です。うん。
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