2007年02月11日(日) |
1kg焼きそば全部食べたらタダ! |
2回ほど前の日記でチラッとだけご紹介しました焼きそば専門店「ばそき家」さん。 こちらのチャレンジメニュー「麺1kg焼きそば「キロ焼き」10分間で全部食べきったらタダ」に……
チャレンジしてまいりました(満面の笑み)。 えあですこんにちは。
ことの始まりは隣国トチギにお住まいの友人M氏との会話でした。 隣国を訪れた折、面白いネタを披露してやるとばかりに誘われ向かいましたのが、このお店、ばそき家さんでした。
こちらのお店は珍しい、焼きそばの専門店、とのこと。 ラーメン屋さん、スパゲッティ屋さんにうどん屋さん蕎麦屋さんは入ったことがあれども、焼きそば屋さんにはちょっと入ったことがありません。また、お好み焼きやさんで焼きそばが焼ける店ならありますがやはり焼きそば屋さん単体はえあさんは見たことがありませんでした。興味深々です。 興味深々ながらも、しかし、焼きそばといえば屋台のぱさぱさの焼きそばがまず思い出されまして……余り味には期待できないのではないかという先入観も持ち合わせていました。
近くに車を止め、歩いて入ったお店は、見た目は簡素な小屋のような小さな店構えに、テーブル席二つという大層小ぢんまりとしたつくりをしていました。 むむう、やはりそんな立派そうではないな…… しかしながら、店の前には何台かの車が停車していました。どうやら、持ち帰りを待っている様子です。 昼時だったというのもあり、店の中にいるとそんなお客さんが比較的ひっきりなしに来ていました。 これは……意外と旨かったりするのか? 次第に期待感が旨に膨らんできました。
しかしながら、この店を友人M氏が紹介してくれたのは、単に焼きそば屋が珍しいから、などではありませんでした。 この店では、チャレンジメニューを開催しているのです。 その内容こそがタイトルの「1kg焼きそば全部食べたらタダ!」 麺の重さのみで1kg、通称キロ焼き。 時間制限は10分間。この時間内に皿の内部のもの全てを口に入れ、飲み下せたらクリアというルールです。
その企画に、えあさんは激しく心惹かれました。 なんてナイスなネタなのでしょう! 大食い、それは人類の夢(断言)。 えあさんも大概よく食べる人ですので、一度くらいはこういったモノに挑戦してみたかったのです。
しかしながら、一人でやるのは乙女にはハズカシイ…… お友達を誘おうにもこんなのに乗ってくれる友達の人選もムズカシイ……
そのように思っていた折のお誘いです。 まさに瓢箪から駒。飛んで火にいる夏の虫。 きっとこれにチャレンジし、レポートをしたためたら皆様の生暖かい視線を存分にいただけることでしょう。 ああ、ああ、なんて素晴らしい!ぞくぞくしますね!(へんたい)
しかしながら時間はお昼時……お店の人に聞きますと、チャレンジメニューは15時からとのこと。その時間でないとお店の人の手が空かないのでしょう。 おなかもすいておりましたし、この日は普通サイズを頂くことにしました。
この日は目玉焼きつきを注文しました。 つややかな太麺の上に乗った、きらきらと照り輝く、箸の先でつつけばとろりと黄身をこぼしそうな半熟の目玉焼きがとってもおいしそうです。
いただきます♪
おお…… 熱々の太麺はもちもちっと弾力があり、ジューシーなソースが大変よく絡んでおります。ぱさぱさとは無縁です。 悪かった。たかが焼きそばなどと侮った私が悪かった! 私が頼んだのは普通のサイズでしたが、これだけおいしいなら大サイズを頼んでおいてもよかった!と思わされるお味でした。
ぺろりとおいしく頂きまして、ご満悦。 また来ようね、今度はキロ焼きチャレンジに。 そのような約束をして退店したのでした。
……ここまでが、前回までお送りした話だったかと思います。 いや、前回言ってない部分もかなり入っていますが、概ねこのような経緯がありました。
そしてそれから一週間後。 お約束どおり、えあさんはその巨大な敵に挑戦しに再度隣国にやって来ました。 早いですか。そうですか?
いや、是非ともすぐにこのネタにありつきたかったので。
しかし、肝心のチャレンジ要員1のM氏、ちょうど前日に行った某オフ会にて終電に乗り過ごし、ネカフェで休むものの結局睡眠は殆ど取っていないという超バッドコンディションでの参戦です。 睡眠不足のときにたくさん食べると気持ち悪くなると思うのですが…… 果たして、大丈夫でしょうか。 心配です。 心配ですが……まあ予定ですからね(冷酷)
人間、誰しもやらなければならないときというのがあるものです。 頑張ってもらいましょう。
「チャレンジお願いします」
お店の人に向かい、M氏がそう宣言しました。 さあ、始まりです。 注文をとりにくるお店のお姉さんの顔も心なしか輝いています。 チャレンジは、店側にとってもちょっとしたイベントなのでしょうか。
「私も同じくお願いします」
えあさんもM氏に追従しました。
「時間は、順番になりますがいいですか?」
なるほど、チャレンジは一人ずつなのですね。OKOK。 了承して、注文をとっていただこうとしたのですが……
脅されます。
「多いですよ。(M氏のを)見てから決めるんでいいんじゃないですか?」
ふむ……なるほど。
「ではそうします」
食べるつもりではいますが、あえていったん引く姿勢を見せました。 これもまた兵法のひとつです。
注文してからしばしして、M氏の焼きそばがやってきました。
見よ。このボリューム! 直径50cmはあろうかという楕円形の皿にこんもりと焼きそばが乗っかっています。 開始前から既にM氏、力ない半笑いです。 ……まあ、写真では分かりませんが大体このような表情です。
制限時間は10分。
「用意、はじめ!」
開始と同時にM氏は勢いよく箸に麺をつかみ、かきこみました。
「熱ッ!」
そりゃ熱いでしょうよ! たった今出来たてなのですから。
4分経過。
半分の程の時間が経過したとき、麺もちょうど半分ほどになっておりました。 熱さの為か、M氏、がぷがぷと水を飲みます。 をいをい、大丈夫でしょうか。 水は腹にたまりますよ……?
そして開始より9分経過。残り後1分です。
おおっと、どうしたことか。 箸が止まった、M氏、箸が止まってしまったぞ!?(大食い選手権アナウンサー風に) M氏はあと残りわずか、小サイズ分にも満たないだけを残して沈黙してしまいました。
店のお姉さんいわく、 「そう、そうなのよ。皆このくらいでいっぱいいっぱいになっちゃうのよね」 とのこと。
大食いの世界では焦らないことが勝利の秘訣と聞きます。 最初の一気食いが仇となったのでしょうか。 しかし今回の勝負には大食いのみならず早食いもかかっているのです。 急がず慌てず……しかし迅速に。そのような食法(造語)が求められていたのです。
奥が深い……! 奥が深いぞ、早食い大食いワールド!!!
その後、M氏は最後の奮闘を見せるも、タイムアップ。 体調的にレッドゾーン過ぎて写真を撮ることも憚られてしまいましたが、残りはわずか、ほんのわずか、切れ端を繋ぎ合わせて2本分程度(店の人・談)でした。
「お姉さん、どうするの?」
M氏の無念の敗退を前にしておののくえあさんに、店のお姉さんが気遣わしげに声をかけてきました。 どうするって……
「おいしく食べた方がいいんじゃない?」
M氏は目の前でぐったりとしています。 ぴくりともしません。
これは…… やめておいた方がいい……のかな?
1kg焼きそば。確かに物凄いボリュームでした。 1kgの砂糖。1kgの小麦粉。1kgの米。 それら見慣れた1kgの物体の重みは誰しも想像つくでしょう。 M氏をKOせしめたあの重みが今更ながらにずっしりとえあさんの肩にのしかかってきます。背後霊っぽく。
……いや! えあさんはその恐怖を振り払いました。 ここでやめたら……私なんか酷い人みたいじゃないか! やりたいって言ったの私だし!?
つか、真に迫ったレポートを書くためには、やらないわけには行きません! このままえあさんが怖気づいて帰り、この日記を仕上げられなければ…… M氏は浮かばれません。(*しんでません)
「やります!!」
「や、やるんですか」
驚く店員さん。
「玉子はどうします?」
えあさんは最初前回食べた玉子が忘れられず玉子入りを注文していました。
「あ、それはやっぱ抜きます」
この辺にえあさんの意地の限界点が見えました。
しばらくして、えあさんの前にもキロ焼きが運ばれてきました。 ううん……で、でかい! いや、先ほど目の前で見たばかりですが…… 自分の目の前に置かれると、その大きさがなんていうかこう、焼きそばってレベルじゃねーよ!って状態です。
「心と身体の準備はよろしいですか?」
キッチンタイマーを構えて尋ねてくる店員さん。 えあさんは女の子なので時間は20分もらえました。 20分間の死闘の幕開けへのカウントダウンです。
「オッケーです」
「紅しょうがと青海苔は?」
「いや、余計なものは入れない作戦で」
青海苔は元々入れないのですが、大の紅しょうが好きのえあさん、どのくらい好きかというと牛丼屋さんに食べに行くとえあさんのテーブルの上の紅しょうがが半分空くくらいに紅しょうが好きのえあさんが、紅しょうがを無しでいきます。
本気の勝負です。
私は……
全てを賭けてお前に挑む!
M氏の弔い合戦だ!(*しんでません)
いざ尋常に勝負! でっかい焼きそば!!
「用意、スタート!」
合図と同時にえあさんは麺の山に箸を突き刺しました。 一口すくい、口に運びます。
「熱ッ」
直前の人とおんなじことやってます。 ……馬鹿です。
しかしえあさんはここで機転を利かせます。 M氏のようにこの熱を水で相殺せず、ふーふーして食べる手段を選択しました。
女の子の特典として与えられた20分という倍の時間。 これがポイントです。 20分も絶え間なく食べ続ければ、どれだけゆっくり食べようともおのずと限界の方が先に来ます。 つまり、私は時間を気にする必要はない。 「早食い大食い勝負」がただの「大食い勝負」に格下げされているのです。
これこそが勝敗を握る鍵。 M氏がなし得なかった偉業を私が達成するための拠り所。 えあさんはそう確信しました。
ふうふう。ふうふう。 ゆっくりと、しかし着実にえあさんは焼きそばを口に運んでいきました。 やはりこの店の焼きそば……旨いです! もっちりとした麺に濃厚なソース! くうっ……これに、紅しょうがさえ入っていれば完璧なのに! しかしそんな悪魔の誘惑は鉄の意志で跳ね返します。
5分ほどしますと焼きそばの山は、上記2枚目の写真程度の、半分程の量まで減少しました。 ペースとしては上々です。 時間がたくさんあるからといっても、わざわざゆっくり食べる必要もありません。 自分のペースが一番、です。
しかしながら…… このころになりますと、流石においしいはずの焼きそばも、なんかこう…… いや、決してまずくはないんだけど……なんかこう……
もうそろそろ……なんかこう……って感じ……?
まあ、分かってはいただけるかと思います。 そんな感じです。
このまま、パックに詰めてお持ち帰りしたら…… 夜にもおいしい焼きそばが食えるんだろうなあ。 そんなことを思い始めます。 量なんか、まだ一人前にはちょっと多めですが、いい感じなんじゃないでしょうか。
ああ……M氏は夜も既にいらなそうですな…… ……一人で食うにはちょっと多いか……
幸い、まだリバースの危機に見舞われるほどではないので、頑張ってみることにします。
10分が経過しました。 残量は、3枚目の写真くらいでしょうか。 当初は少しだけ、10分以内の制覇も目論んではいたのですが、流石にそれは無理でした。 「ここからがきついのよね」 店のお姉さんがそのように言っていた、峠の分量です。
時間は後半分。 時間的には余裕です。 目の前には、見た目一口程度の焼きそばの小山。 M氏が箸を止めたあのサイズの小山があります。
「やばい……」
えあさんはそれを目の前にして、愕然としました。
「これ……
食えるわ。」
……体調不良気味とはいえ、大の男を平伏させた焼きそばを。 えあさん、どうやらぺろっと平らげられそうな事実に気が付いたのでした。 おなかはもう十分にいっぱいですが! 流石においしいと感じられるレベルは通り越していますが!
確実に、えあさんのおなかはこんな程度なら入る余地を残しています。
おんなのことしてどうかと! おんにゃのことしてこれはどうかと!!?
……とりあえず、
残りは出来る限りおいしく食べる道を選びました。
今まで封印していた紅しょうが、解禁。
こんもりと一山盛ります。 ただし、お店の人が見ているので控えめに。 ああ、うっとり。
「そう、そうね、味を変えて頑張るといいわよ!」
お店のお姉さん、応援有難う御座います。 でもこれ、
おやつ。
紅しょうがを平らげ、その合間に焼きそばを食って紅しょうがを足し。 店の人にゴルァされないレベルで紅しょうが抑えて程ほどに血中紅しょうが分を補充しまして……
開始から12分、 完 食。
女性での達成者は私で二人目、だそうです。
写真は取り忘れました。が、店の人が食べきった皿と一緒の記念撮影を行ってくれました。 歴代偉業達成者たちの写真が、丁寧にラミネート加工されて店に保管されています。 プリントされたら私の写真もそこに加わり、永遠に保存されることでしょう。 いろんな人に、これが大食い女かと眺められることでしょう。 ペンネームはちゃんと「えあ」と書いてきました。
……。
隣国にイヤな名前の残し方しちゃったなあ。
お店へのコメントは控えめに「最初はおいしかったですが……」にしときましたが、これってよく考えたら大分失礼ですね。ごめんなさい。 「おいしかったです♪」でもよかったんですが、他の達成者の男の人が「うえっぷ」って感じのコメントを揃って残してる中、そんな風に余裕ありげに振舞えませんでした。乙女として。
ああ……
大変だった。
しかし……
おいしかった♪
えあさんは確かな満足と達成感を感じつつ、いまだぐったりしているM氏と共に帰路に着いたのでした。
***
おなかいっぱいなのでというのは嘘ですが、コメントはまた後ほど。
あ、日記を書いてるのは20時間近く経ってからだから。 だから今はおなかいっぱいじゃないだけなんだからねっ! そのときは、ちゃんとおなかいっぱいだったんだからっ!(ツンデレ)
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