2001年10月27日(土) コンセプトは狭く浅く

えあのコンセプト。それは狭く浅くです。
創作日記帳開始二日目の今日は私が自身の真実を発見した経緯を語りましょう。


私は高校のとき漫研に入ってました。
ディープっぽいでしょう? オタクっぽいでしょう? 狭く深くっぽいでしょう?
私も自分はそういう性癖であると思っていたんです。私はオタクだ趣味は狭く深くでなければ!!……と。
ですが、違ったのです。
世界は私が思っていたより広かった……もとい、深かったのです。

友達とカラオケに行きます。漫研なのでアニソン歌います。
勇者ライディーン?マイトガイン?Gガンダム?聖闘士聖矢?
……私だけわからねぇ!!(特に勇者系ロボット系は全滅)

「××さんっていいよねー」「そーだよね。マジいいよねー」
……ふっ。私には芸能人なんてわかんないよ……だって小学校のときからドラマ見ないでアニメ見てるようなオタクだからさ(まあ正常じゃないか?小学生なら)
「ちがうよぉ、声優の××さん。ほら、○○の声」
……え。だれそれ。芸能人じゃないの!?

愕然としました。衝撃でした。私のオタクとしてのプライドががらがらと崩れ去りました。
オタクを自称しオタクとしての誇りを持っていた私が、オタクと称することなどおこがましい一般ピープルであるという厳然とした事実を突き付けられたのです。
拭いようの無い敗北感が、私の胸に突き刺さりました。

ああ、私はオタクではなかったの……?
中学生のころ、他の女子がドラマの話をする中で、アニメの話に花を咲かせていた私達のグループはオタクの集まりではなかったの!?
あの青春は偽物だったの!!?

今思えば、コミケやアニメショップに行ったことはおろか、アニメ雑誌すらかったりしていなかった私風情がアニメオタクを自称していたことの方が笑えます。
オタクというのは情熱だけでは駄目なんです。
きゃーかっこいー言ってるだけではただのミーハーファンなんです。
知らねば!調べ上げねば!集めねば!妄想せねば!
オタクではないのです!!
オタクとは知力と財力をフル活用し、研鑚に研鑚を重ねたファンの昇華した形態だったのです。
私は自分の勉強不足を恥じました。そこで勉強しようという気持ちがあれば、もしかしたら私はオタクの高みに上れていたかもしれません。
だけれども……私は勉強しなかった。
だって敵いません彼女らには。
それ程私の敗北は私の中に深く刻まれていたのです……

いや、それは言い訳ですけど。

でも、もっとずっと後の話ですが、ソフトも買って結構はまってたぷよぷよだったのに私なんて十回に一回くらいしか勝てない友人が現れ、更にその上その友人は公式?のトーナメントかなんかであっさり一回戦?負けを喫してたり!

ダビスタがんばってがんばって自牧場の最強馬ができたーわーいとか思っててもそんな程度の馬、世間の最強馬にはアナウンサーが沈黙するほどの差をつけられて(注1)負ける馬だという事実を知ったり!

こうして私は世界の広さを身をもって知っていったのです。

なんて自分は底が浅いのだろう……
オタクになろうとして、オタクになりきれなかった私。
だがしかし、芸能人の顔なんて区別つかない……V6とTOKIO混ぜたら元のグループに戻せないような私は、今更広いというか一般の趣味なんて持てそうもない。
それも更に運が悪いことに、私の食指が動くのは、創作とかイラストとかパソコンとかの見るからにマニアックそうな趣味ばっかり。
私なんて浅いのに!!

そんなジレンマに悩む私。
けれどもある日気づいたのです。

……あさくてもいいじゃない……

……たのしけりゃ。

そう。そうなのです。まさに、オタクという称号に固執するあまりに私は趣味というものの本質を見失いかけていたのです。
趣味とは楽しむためのもの。
プライドに執着する必要など無かったのです。


そして私は開き直りました。
こうして出来上がった私自身の結晶が、このほーむぺえじだったりします。
HP的にはかなり手広くやってる気もしますけど、でも「狭く浅く」なんです。
最下層って程でもないが(多分)、特に上手くもないイラストや小説。
勉強する気もない、動けばいいやのJavaScript。
そして頑張って作り上げたがバージョンアップの気力はない世界樹の下(注2)。
ほら浅い。マニアックなくせして浅い。
でもこれが、程よく肩の力が抜けていいもんなんだと私は確信しています。
ええもちろん決して負け惜しみなどではなく!

でも実はやっぱり本質はどこかで、オタクに憧れてたりするのかもしれません。
でなきゃ100枚近くのイラスト描いたり、全100話予定の長編小説書いたりなんて出来なさそうです。
いつか気が向いたら勉強して、真性のオタクを目指してみようかな。



(注1)アナウンサーが沈黙するほどの差をつけられて
ダビスタは普通レースシーンにおいて、アナウンサーの流れるような実況が入るが、ゴールで馬が先着してから来る後ろの馬があまりにも遅いと、非常に気まずい沈黙の時間が流れる。

(注2)世界樹の下
えあの別サイト。入口から行けます。


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