GARTERGUNS’雑記帳

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ガルデンという複雑怪奇極まるキャラクターの腑分けをしてみないか
2005年04月19日(火)

ガルデンの特徴と言うと色々有りますが、中でもよく言われるのが、とかくキャラクターが定まってない……もといエクセレントカットのダイヤモンドのごとく様々な面と輝きを見せてくれる所。
その輝きは余りにも奔放すぎて、TV版を見てから漫画を見たりその逆だったりといった「メディアミックス展開されたリューナイト」を楽しむ過程で、多くのファンに「キャラ違う?!」と混乱を与える事もしばしばでありました(当時のファンジン等調べ)。
また「TVアニメ版」と言ってみても一括りには出来ず、覇王を目指していた頃、イドロと袂を分かった頃、笑顔で邪竜族を屠っていた頃、などその立ち位置や言動等から分ける事が出来そうでして。
更に此処にティアダナーンやカイオリス、特典CD3及び4巻などが加わり、あまつさえパラレル要素が強いアースティアTVや温泉ダンジョンの決闘などが加わって、もう何がなにやら。

という事で、「どのメディアのガルデンがどんなキャラクターなのか」というのを一度纏めてみようと。
あくまで「このガルデンはこんな感じじゃないかな」という私見ですが。


まずは大きく分類。

1.TV版初期(11話〜35話)ガルデン

2.TV版中期(36話〜44話)ガルデン

3.TV版後期(45話〜52話)ガルデン

4.「ティア・ダナーンの闘い」版ガルデン

5.「カイオリスへの旅立ち」(ラジオドラマ)版ガルデン

6.特典CD4巻「聖騎士の約束」版ガルデン

7.特典CD2巻「続・アースティアTV24時」版ガルデン

8.OVA17巻「アデューレジェンドFINAL 温泉ダンジョンの決闘」版ガルデン

9.コミック版ガルデン

10.SFCゲーム「ロード・オブ・パラディン」版ガルデン


以下説明。


1.TV版初期(11話〜35話)ガルデン

初登場〜イドロに真実を知らされ裏切られるまでのガルデン。
特典CD3巻(呪われたアデュー)のガルデンも、アデューと対立している事やイドロとの関係が良好そうである(「イドロに助けは求められん」の台詞)事から、此処に入れて良さそう。
また、このカテゴリ内でも「国盗りに野望を燃やしていた時期」「国盗りよりアデューらを始末する事に執着してる時期」と細かく分けられそうです。
このカテゴリ内のガルデンの特徴としては、何と言っても「大した理由無く力をふるい人を殺める事に、何の痛痒も感じない」というまったきを得る悪役振り。
そして天上天下唯我独尊な、覇王という夢に向かっての驀進振りなど、やられて当然と言わんばかりのキャラ立てでしょうか。
高笑いが一番多く、常に自信に満ち溢れていた様に思えます。

2.TV版中期(36話〜44話)ガルデン

イドロに裏切られ、迷い道くねくねに入り込んでしまったガルデン。
45話が此処ではなく「後期」のカテゴリに入っているのは、45話ガルデンは既に「何らかの答えを自分の中で出している」(=迷っていない)と見えたからです。
……此処のガルデンの特徴は、自分のアイデンティティを突如ぶち壊された挙句、迷って錯乱して怒って吼えて弱気になって、と、精神状態がめまぐるしく乱高下する事。
それでも39話でアデューと話すまでは「覇王になる」という目標にすがって生きていた様ですが、「なぜ覇王になりたいんだ、強くなりたいという動機は何だ」とアデューに素で問われ撃沈。
これまで戦ってきた事の意味も、これからどうすれば良いのかも見失ってしまいます。
全シリーズ通して、最もガルデンが弱体化した時期でもありますね。
また、しょっちゅう儚い表情をしたり傷ついたりしているのでヱロ度も大幅にUP。

3.TV版後期(45話〜52話)ガルデン

何らかの答えを自分の中で出し、吹っ切れてしまったガルデン。
45話では「サルトビに精霊石を返し、自ら炎の中に消える」という自分の意思による結末を選びましたが、どっこい生きてたエルドギア。
51話では「みんなも一緒だ!」なんて台詞と共に登場、何処からか拾ってきた精霊剣で真っ白なルーンナイトにクラスチェンジ。52話などでもどうした事か、積極的に作戦やチームプレイ感の強い戦闘に参加し、その上リーダーシップまでふるってしまうはじけぶり。
菱沼氏作画による急に毒気の抜けた爽やかな表情の数々の影響も大きいのでしょうが、とにかくこの辺りのガルデンは明るい。
中期のうじうじっぷりから一転、「邪竜族をやっつけるぞ!!」という余りにも素直でキラキラして熱い希望に満ちたその姿は、奇しくも初期の「覇王になるぞ!」と息巻いていた頃に被って見えます。
ホワイトドラゴンから何ぞ洗脳でもされたのかと疑わずにおれない。

4.「ティア・ダナーンの闘い」版ガルデン

まずこのドラマが、TV版で言うならいつ頃に当たる物語なのかが相当あいまいなのですが。
ただ、ガルデンの行動や物言いなど(特に「私も一人で生きてきた」)、更にシュテルの良心が云々等の辺りを見ていると、イドロと決別後かな〜と……
アデューと完全に敵対してるのは間違いない様なので、38話以降ではないのでしょうが。
でもパラディン空飛んでるしな……。
此処のガルデンの特徴は、やはり「本当は優しい人」なんてスゴイ属性がついてしまった事でしょう。
特典CD3巻でもそうでしたが、ひょっとして子供には弱いのかガルデン。
それと……ずっと疑問に思っていたのですが。
ナビアを通じてシュテルが他のリューをティアダナーンに呼んだのなら、そもそものシュテルとガルデンは一体どうやってかの地にやってきたのでしょうかね……?
考えてみると何だか燃えてきませんか。胡散臭いぜガルデン一族。
この辺はまた別の日に。

5.「カイオリスへの旅立ち」(ラジオドラマ)版ガルデン

黒い鎧を脱ぎ、白い僧侶の様な服に身を包んだガルデン。
一人称が殆ど常に「俺」のガルデン。
最終回時の爽やかさが嘘であったかの様に、言う事なす事全てが皮肉っぽく描かれているガルデン。(その反動か、サルトビが随分と素直で熱血なキャラになっている)
大戦から3年の間の出来事が殆ど語られない為、何が起きてそんな変化に至ったのかが最も把握しづらいガルデン。
とにかく「何か」があったのだろうな、と思わずにいられないガルデン。
キャラの変化の理由の大半はキルガインと被るからの様な気もしますが。
ホワイトドラゴンと仲が良かったり、エルドギアやアースティア内外の事情にやたらと詳しかったり、名も無き邪竜兵Fと平然とアースティア侵略がどうのこうのいう会話をしていたり、妄想の余地は十分。ただ、あんまり他のガルデンと違いすぎて、扱い辛い感がある。
ところで、このドラマ中でガルデンは「邪竜族との大戦時、一時は邪竜族の世界に行こうかとも考えた」なんて爆弾発言をさらりとしています。
それに対するサルトビの言葉が「お前も苦労したんだな」。
……アデューよりもサルトビのほうが余程お人よしだと思います。

6.特典CD4巻「聖騎士の約束」版ガルデン

「諦める」という事を知っているガルデン。
寧ろ諦念にどっぷりと浸かっていると言った方が適当か。
それくらいこのドラマのガルデンからは「もう無邪気な夢を見ていられるほど純粋でも無知でもないのだ」的な「大人」の雰囲気が伝わってきます。
例えば、回想シーンでの「私はもう諦めている」。
それに続くパティ達への「聖騎士の約束」説明シーン、「どうしてか、私はそれを信じてしまった」。
前者は言わずもがなですが、後者がね……!!
「私はそれを信じようと思った」とかだったら、前向きな感じに聞こえるじゃないですか。
「いつか約束が果たされる」という「希望」を持っているんだよ、みたいな。
でもそうではなくて「信じてしまった」。
これが「どうしてか奴の言う事を信じてしまったんだから、もう仕方ないよね……信じたほうの負けだよね……」みたいに聞こえるんですよ……。
このドラマのガルデンは群を抜いてシリアスで、諦める事を覚えた大人で、乾いていて、リアリストで、そのくせに押しに弱くて100年も昔の約束に夢を見ている乙女で、と書いている方が恥ずかしくなる様な属性が盛り沢山で困ります。
後、特記すべき事としては「礼を言える」「律儀」「エルフ兄妹(特に兄)とも多少は会話を重ねているらしい」「ハグハグと仲良し(?)」「ギャロップに乗れる」「王家公認の儀式の立会人の癖に、ビックリするほど弱弱しい」「召喚するのはルーンナイト」……こんなもんでしょうか。
そう言えば何気に最年長ですね。

7.特典CD2巻「続・アースティアTV24時」版ガルデン

パラレル世界のガルデン製作部長。
とかく芸達者な面が目立つ愉快な人。
ケチだとか逆らうと無人島に左遷されるだとか、アデューやサルトビ、イズミらからは恐れられて(ウザがられて)いる様ですね。
劇中忍者ものドラマの「高価な壷」の件や、最後の「もっと高い酒をもってこい」の台詞から「ブランド志向」なイメージがあるのですが。でもケチなんだな。
最後に何故グラチェスプロデューサーと一緒に登場したのかが、気になって仕方ありません。

8.OVA17巻「アデューレジェンドFINAL 温泉ダンジョンの決闘」版ガルデン

サルトビの故郷を滅ぼしていないガルデン。
そう、この話の世界ではサルトビの村を滅ぼしたのはイクズスで、ガルデンは単にアデュー達の行く先々に現れる、覇王を目指す変な人扱いなのですよね。
要らん事をしては罠に掛かったり自体をややこしくしたりする、愛すべきおばかちゃん。
個人的にはこの話と特典CD3巻の「道に迷った」という描写から、「ガルデンは方向音痴」説を推したい。
ギャロップに乗れないだけでなく方向音痴。もうほんと箱入り娘。危なっかしくて見てられない。

9.コミック版ガルデン

ガルデン一族の末裔ではなく
戦う中間管理職。
そして正真正銘のトリックスターにしてアンチヒーロー。
これ以上書くと長くなるのでこの辺で。

10.SFCゲーム「ロード・オブ・パラディン」版ガルデン

プレイしていないので攻略本や他の方からの情報に頼るしか無いのですが、アデューを呼ばわりしたりシュテルがクラッシュドーン撃ったり超武闘会なんてオモシロカッチョいいイベントに臆面もなく参加したり、他のガルデンに負けず劣らずのアクの強さを見せ付けてくれそうです。



以上、現時点での個人的な感想を駆け足でまとめてみました。
何となく思ったことなのですが、各作品のガルデン同士が戦ったら、最後に立っているのは聖約版か漫画版の様な気がします。
戦闘能力で言えば、甘さを見せず君主の階級も持てる漫画版のガルデンが圧倒的に有利そうですが、何と言うか、こう……
漫画版のガルデンって、聖約のガルデンみたいなキャラが(性格的に)苦手そうと言うか……。

「各作品のガルデン同士が戦ったら」という仮定の時点で意味が判らん問いなのですが。



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