ある番組で、年収一億四千万(もっと上だっただろうか)の収益を誇るAV製作会社の社長の、人生訓だとか苦労話だとかを面白く見ていたのですが。 あれが漫画版ガルデンだったら。 「学業を修めた後、長距離トラックの運転手になったのだが、其処で学んだのは『自分の限界を打ち破る事が自信になる』という事だ」 「ガルデンさんはこの時に年収六百万を上げていたんですよ。 朝六時から仕事で、夜中の三時くらいまで働くことも多かったそうですわ」 「じゃあ睡眠時間が三時間しかないじゃないか?!」 「だから今でも、『寝ろ』と言われたら三秒で眠る事が出来るし、麻雀の牌を混ぜながら寝る事も出来る」 「しかしそんなの、就労法に引っ掛かるんじゃ」 「私がやめた後、局の手入れが入ったな」 「次はカオスティアTVのADになったそうですが。 年収は144万、四分の一になってしまったのですね。 何故そうまでして?」 「その職の応募資格が『邪竜族である事』だったのだが…… 私は純血の邪竜族ではないが、純血種よりもよく働き役に立つ自信が有った。 結果最も脂が乗っていた頃のカオスティアTV上層部から、様々なノウハウや知識、その他多くの事を吸収した。それが目当てだったのだな」 「この頃、アースティアで初めての芸能人グッズを取り扱う店、所謂タレントショップを出店し、一財産作ったそうですが」 「それは、まあ、TV局が間抜けだったお陰なのだが。 局から出店計画を任された私は、『これは儲からない』と局側の担当者に言い含めてから、儲けでも損益でも四割を私が被るという契約を提示した。残り四割は肖像権を持つ側、二割が邪竜軍に行くと。 それで良いかと尋ねたら良いと言ったので、そう契約した」 「結果は?」 「……まあ、『詐欺だ』とカオスティアTVから訴訟を起こされかけた程度には儲かったな」 「そしてカオスティアTVをやめた後は、紆余曲折して、アースティアTVの某大物プロデューサーからアダルトビデオ製作の指揮を任されたと」 「うむ」 「ハイ、質問!」 「はい、アデュー君」 「やっぱりAV作る人とかって、いつもやらしい事考えてるんですか?」 「…………ど、どうなんですか、ガルデンさん」 「いや、私は余り女性には興味が無い」 「え」 「余りそう言ったことに興味が無いから、逆に言えばどんな作品でも作れる」 「あ、そ、そういう意味か。び、びっくりした…… 淡白だって事だな」 「…………」 「何故含み笑いしているのですか」 ――――― 済みません、最後の九行が書きたかっただけです。
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