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シュテル×ガルデン、アデュー×ガルデン、パティ×ガルデンの小説をメモ帳で打っていたのですが、不意に眠気に襲われ、そのままうとうととしてしまいました。 そこで私が見たものは、そりゃあもうめくるめく世界でした。 友人宅へ遊びに行く私。 その友人というのは昔からのアデュガル友達なのですが―――――そんな事は良いのです。 で、その友人と話しつつ二階―――――彼女の自室へ上がるとですね。 電源の入ったパソコンがあるわけですよ。 ちらと見ると、ネスケっぽいウェブブラウザが開かれておりまして。 何か漫画の出版社のホームページ(例:http://www.hakusensha.co.jp)みたいなのが表示されていたんですが…… その右上端にですね。 正方形のポップな色合いのバナーがございまして。 そのバナーには、「ガルデン×ガルデンFANRING」と書いてありました。 何でしょうかこれ。アデュガルとかガルアデュとかガルサルとかは聞いた事ありますが「ガルデン×ガルデン」て。自己愛?しかもFANRING?そんなに支持者が多いんですかこのカップリング(?)は。 悩む私を置き去りにして、友人は新しく買った漫画の話をしています。 つられて傍の漫画がぎっしり詰まった本棚を見る私。 其処に一巻から二十巻まで揃ったある「花とゆめコミックス」を見つけます。 興味を引かれた私は友人に頼み、その一巻を見せて貰う事に致します。 漫画のタイトルは――――― ―――――「妖しのシュテル」。 運動神経が優れている以外は至って普通な大学生、アデュー。 彼はある夜、雨の降るホテル街で、一人の青年と出会います。 汚れ、破れた白のスーツを着、白い肌のあちこちに血の滲む傷を作った、銀の髪の美青年。 蜻蛉のように儚げに立ち尽くす彼は、驚き声を掛けるアデューの腕の中に倒れこんできます。 アデューが救急車を呼ぼうとするのをかたくなに拒む青年。その縋るような翠の眼に見つめられ、アデューは何も言えなくなります。 そうこうしている内に気を失ってしまった青年を放っておくわけにも行かず、近くのホテルに連れ込むアデュー。 ベッドに寝かせ、濡れた服を脱がせて手当てをしてやった後、冷えた体を温めてやろうとバスルームでバスタブに湯を張っていると、何時の間にか目を覚ました青年がアデューの背後に立っています。 またも驚くアデュー。 大人しく寝てろよという言葉も聞かず、青年はふらふらとアデューの傍に歩いてくると、またその腕の中に倒れこみます。 再びベッドに寝かされる青年。 彼は離れようとするアデューの袖を掴んで離さず、何かを訴えるように熱っぽく潤んだ目で見つめます。 その妖しい輝きを放つ翠の目(そう表現してあった)に捉われ、アデューは彼と肉体関係を持つ事に――――― 翌朝、アデューが目を覚ますと、隣に居た筈の青年の姿がありません。 驚いて部屋を探しますが、バスルームを使った跡が有る以外は何の痕跡もなく。 ただ、アデューの記憶に甘く激しい一夜とガルデンという自分の名を残して、青年は消えていました。 釈然としないものを感じつつ、チェックアウトするアデュー。朝の光と何故かガタガタの体によろよろしながら帰路に着く彼を、物陰から何者かが見つめています。 その翌日、夕方。 一人暮らしのアデューの部屋に、訪問者がありました。 鳴らされるチャイムに、寝ていたアデューはまたよろよろしながら、無用心にもドアを開けます。 其処に立っていたのは、あの一夜を過ごしたガルデンとか言う青年。 ただ、高価そうな黒いスーツに身を包み、大きなサングラスを掛けたその姿には儚さの欠片もなく、まるで別人かというような冷たく酷薄な雰囲気を纏わりつかせています。 驚くアデューに、ガルデンは「あの夜は『私』が世話になった。礼をしにきた」とか言いながら微笑みます。 ぞっとするような冷たい笑いです。 凍りつくアデューをおいて部屋の中に入ったガルデン(土足)。 彼は先程までアデューが寝ていた散らかった寝室に入ると、其処で服を脱ぎだします。 追って部屋に入ってきたアデューが慌てるのも構わず、一糸纏わぬ姿―――――もとい裸にサングラス一つという格好になり、挑発的に言う彼。 「何を驚いている?先日と同じように私を求めれば良いではないか、××××を×××して×××××に×××××という風に。それとも×××××の方が良いか?××××××は痕を残さないように出来るなら考えてやる」(余りにも露骨且つ危険な台詞だったので検閲) お綺麗な顔をした彼の可憐な唇から出る強烈な言葉に、流石にぶちギレるアデュー。 出て行けとばかりにその腕を掴みますが、彼は悠然とした態度でサングラスを外します。 其処には妖しく輝く翠の瞳。 以前のような熱く蕩けたそれではなく、氷の冷たさと煌きを放つ眼。 その眼に射竦められ、魅了され、アデューはまたも彼と一夜を過ごす事に。 翌朝、アデューが目を覚ますと、以前とは違って隣には彼が居ました。 気怠そうに煙草を吸っています。 その体の其処彼処に残っている情事の痕に、思わず気恥ずかしくなるアデュー。 彼はそんなアデューを何の感情も浮かんでいない目で見つめます。 そのままだらだらと時間が過ぎ、アデューは大学に行く事に。 何故かついていくと言うガルデンと一緒に風呂に入り、準備をして家を出ると、其処には一人の少女が――――― 怒りにアメジストの眼を光らせ、重く平べったい通学鞄を抱えたセーラー服の美少女。 彼女はお下げを揺らしながらつかつかと歩いてくると、その手の鞄で思いっきりガルデンを張り倒します。 パニックに陥るアデューをよそに、流石に呆然とするガルデンに向かって「いつまでこんな事を繰り返してるのよ」と叫ぶ少女。 そして彼の胸に飛び込み、大声をあげて泣き出します。 アデューに宥められてようやく泣き止んだ彼女は、これまでの冷たさが嘘のようにぼんやりとしているガルデンの腕を掴んだまま、何事かを説明し始めます。(複雑で訳が判らず覚えていられませんでした。一杯漢字が出てました) 突然の説明に、アデューが「一体どういう事なんだ?ガルデン一族がどうとかこうとかって」と尋ねると、少女は一つ頷きます。 緊張した面持ちになる少女。未だぼんやりとしているガルデンを見上げて口を開き、「それは、この世界の―――――」と言いかけた瞬間。 車が突っ込んできて、ガルデンと少女は思いっきり轢かれます。 引っ繰り返る車。砕けるガラス。通行人の悲鳴。集まる野次馬。車から慌てて這い出てくるドライバー(どう見てもカッツェ)。 目立った外傷はないものの、意識を失って倒れるガルデンと少女。 その口からは、うわ言のように「シュテル」という名前が――――― ここで第一巻・完。次回に続く。 今にしてみれば、何故全二十巻を読破してから目を覚まさなかったのかと後悔しきりです。
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