doo-bop days
ブーツィラの音楽雑記



 安東ウメ子さんの命日

安東ウメ子さんが、大腸がんのため71歳でお亡くなりになって2年。ウメ子さんがこの世にいないと思うと、今でも悲しみが込み上げてくることがある。

「アイヌの歌とムックリ(アイヌ民族の口琴)を伝えるのが、今の私の使命」とおっしゃっていたウメ子さん。伝えないと、「(アイヌの文化を遺してくれた)ご先祖様に申し訳ないからね」。
ウメ子さんは、アイヌ文化の伝承はもちろん、ミュージシャン/アーティストとしてもやり残したことはあったと思われる。「ウメ子さんには、あとアルバム2枚分のストックがあったし、オレにもアイデアがあった」と、ウメ子さんのアルバムをプロデュースしたトンコリ奏者のOKIは言う。

JAL国際線の「オーディオ(日本到着便)6月」「ソフト&スムース」では、ウメ子さんのCD『ウポポ サンケ』収録の「アルオー」が、久保田麻琴による選曲で多くの乗客に聴かれた模様。アイヌ音楽が国際線で一般の人たちに聴かれるなんて、一昔前では考えられなかったはず。「研究の対象でしかなかったアイヌ音楽」(OKI)を、世界のどの国でも通用するアルバム『イフンケ』『ウポポ サンケ』としてこの世に遺してくださったウメ子さん。ウメ子さんの“アーティスト”としての最大の功績は、この2作と言えよう。

安東ウメ子さんには感謝の念に堪えない。ウメ子さんのウポポ(アイヌ語で歌の意)が、いつまでも歌い継がれるよう願っている。

安東ウメ子さん死去 アイヌ楽器ムックリ演奏第一人者(『WEB TOKACHI』2004年7月16日付)
「アイヌ民族楽器ムックリ奏者・安東ウメ子さん死去」のニュースの配信映像(OCTV帯広シティーケーブルの2004/7/12〜7/18MOVIE FLASH, 計3分55秒のうちの約30秒, 安東ウメ子さん生前最後のライヴ映像とともに報道された)
故安東さんの世界を後世に DVD「けうとぅむ」製作(十勝めーる[幕別めーる]2006年4月6日付)
アイヌ民族伝統の音楽を現代に伝承した安東ウメ子さん 7月15日死去、71歳「京都新聞 2004年9月2日付け夕刊」(「paetok puyar BBS」2005/04/04)
安東ウメ子さんが天に召されて一年(『doo-bop days』2005年7月15日付)

2006年07月15日(土)
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