doo-bop days
ブーツィラの音楽雑記



 私にとっての2004年

アイヌ文化の伝承者で、ウポポ(アイヌ語で歌)とムックリ(アイヌ民族の口琴)の第一人者である安東ウメ子さん。
ウメ子さんのアルバム『ウポポ サンケ』(2003年12月)や『イフンケ』(2001年)、ウメ子さんが参加したトンコリ(樺太アイヌに伝わる弦楽器)奏者のOKIのアルバム『ハンカプィ』(1999年)といった、ウメ子さんとOKIのコラボレーションにおいて実証されたのは、ウメ子さんのウポポは近代文明より遥かに前の太古の世界と深く結びついたものであること。さらに、ウメ子さんは現代のアーティストとしても優れた感性の持ち主であり、民族や時代、音楽ジャンルなどを超越した普遍的かつ今の音楽として提示できる才能をも、奇跡的にも併せ持った方であることなどだろう。

約1年前にウメ子さんの『ウポポ サンケ』を初めて聴いた時の衝撃から始まり、1/31に東京・浅草で観た安東ウメ子さんの『ウポポ サンケ』発売記念コンサート。ウメ子さんの音楽との出合いによって聴きだした瞽女唄(ごぜうた)を始めとする種々の音楽など、私にとっての2004年は、安東ウメ子さんに尽きる1年であった。
7/15に大腸がんのため71歳で逝去されたのが惜しまれてならない。

2004年12月30日(木)
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