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■ 海童道 〈法竹〉 海童道宗祖
禅の普化宗管長を経て、海童道(わたづみどう)を興した海童道宗祖(海童道祖、1911-1992)。 1986年のカンヌ映画祭で史上初の4賞に輝いた、アンドレイ・タルコフスキーの遺作『サクリファイス』で使用された尺八に似た響きの音楽は、海童道宗祖の音源である。
海童道は、吐く(呼吸)、つかむ(指の動作)、のばす(身体の屈伸)という海童道宗祖が編み出した三つの哲理=「自然法」を実践するために、道具として、山で拾った等の自然の竹を適当に切って穴を開けた法竹(ほっちく)と呼ばれる一管の竹を使用する。 尺八のように楽器としての加工はしていないので、法竹は楽器ではないという。法竹を吹くことも吹奏といわず、吹定(すいじょう)というらしい。 「自然法」の実践として法竹を吹定した結果、発せられたものが、いわゆる音楽と一般的に呼ばれているものになるのだろう。本CDに収録されているのは、霊性(こころ)の作用を旨とした「薩慈」、歓喜と恩愛を表現した「巣鶴」、静観の境地の「山谷」、みそぎの境地「霊法」など全15曲。海童道宗祖による、その厳かで深遠かつ霊妙な響きは、聴き手をも精神の高みへと誘うかのようである。
本CD(UDC-499)は、1968年発売のLP『海童道〈法竹〉海童道宗祖』に1961年録音の2曲を追加して2000年にCD化されたが、すぐに廃盤となった。 2003年、『海童道〈法竹〉海童道宗祖』は、海童道宗祖の『神秘の竹の音』とともに1,000枚限定のCDとして再発されたが、『(株)目白』の「海童道」のページでは両作品ともすでに売り切れ。『邦楽ジャーナル』のネット通販では、CD『海童道〈法竹〉海童道宗祖』がリストにあることから、現時点では僅かながらも取り扱っている模様。 ちなみに、今年9月にディスクユニオン新宿本館に行った時、ノイズ/アヴァンギャルドのフロアーにおいて、デッドストックとして超限定入荷したCD『海童道〈法竹〉海童道宗祖』(多分2000年発売版)が、ジョン・ゾーンのTZADIKレーベルのCDが置いてあるすぐそばに陳列されていた。
11/3追記: 『ZeAmi』のトップページ等によると、海童道宗祖の『神秘の竹の音』が同店に再入荷とのこと。一方、ディスクユニオンのHPの「NOISE/AVANT GARDE」によると、「禅トリップ伝説の名作、待望の再プレス決定!」「海童道宗祖 WATAZUMIDO / 神秘の竹の音〜前衛と古典〜」「11月2日入荷決定!!」らしい。
・「尺八を越えて」海童道宗祖 (『尺八吹奏研究会』) ・Biography: Watazumi Doso Roshi
2004年10月28日(木)
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