予防審美  
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★予防と審美専門★【小林歯科クリニック】

2019年04月18日(木) 顎関節症の治療<2>

読売新聞医療ルネサンスから・・・

『ストレッチで痛み改善』

スポーツキャスターの陣内貴美子さん(55)は、顎の痛みで受診した昭和大歯科病院(大田区)で、上下の歯を持続的に接触させる癖(TCH)を指摘された。
診断名は顎関節症の一つ「咀嚼筋痛障害」。
歯を食いしばる癖が、かむ時に使う筋肉を疲労させ、痛みを引き起こしていた。

顎関節症治療科診療科長の菅沼岳史さんは、問診でTCHの有無を確認している。
陣内さんには、意識して上下の歯を離すように指導した。
その一つが「貼り紙法」だ。
自宅のリビングなど約10か所に目立つ色のシールを貼り、見たら息を「フーッ」と大きく吐き、肩の力を抜いて体をリラックスさせる。

痛みのある筋肉を伸ばす「開口ストレッチ」にも取り組んだ。
手の親指で上の前歯の先を押さえ、もう一方の手で中3本の指を使って下の歯を下げるようにする。
痛みが出始める所で約20秒間静止。
これを毎日、朝昼晩と入浴後の計4回行う。
顎の痛む部分を、指の腹で円を描くように押して回すマッサージも続けた。

菅沼さんは「TCHや生活習慣が発症の要因である場合、患者自身が行う『セルフケア』で痛みの大半を改善できる」と話す。
治療開始から5か月が過ぎた陣内さん。「食べる時のひどい痛みはなくなった」と語る表情に明るさが戻った。

      ◇

都内在住の雅楽師、清田裕美子さん(38)→
は数年前から、しびれるような右顎の痛みと頭痛に悩まされていた。
目の奥の痛みや肩こりもあり、「体がだるくて日常生活がつらかった」。
顔面の神経の問題かと不安になったこともあった。

3月上旬、母親の紹介で日本大歯学部病院(千代田区)を受診すると、顎関節症と判明した。
病院でもらった「噛かみ合わせ日記」に毎日の状態を記録しながら、約1か月間、開口ストレッチを続けると、「顎の痛みも頭痛もほとんどなくなった」。
パソコンの作業中、歯をかみ締めていたことに気づいた。

ペインクリニック科長の今村佳樹さんは「顎の痛みが原因となって頭痛が起きることは珍しくない」と語る。
このほか、顎の筋肉の痛みを歯の痛みと感じる患者もいるという。
誤って歯を抜かれてしまうおそれがあり、「歯科医は慎重に見極めてほしい」と今村さんは注意を促す。

顎関節症は、本人が無意識に行う習慣が隠れた原因になっていると、再発も少なくない。
今村さんは「痛みをコントロールし、病院に来なくてもよい状態になるのが治療のゴール。
症状とうまく付き合うことが大切だ」と話している。


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