予防と審美 |
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小林歯科クリニック |
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1994〜 小林歯科クリニック
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★予防と審美専門★【小林歯科クリニック】
2017年06月29日(木) |
車いすで飛行機に乗る時は |
一連の事件について、色々な方が色々なことを言ったり書いたりされていますが… 最も私@小林が共感したものby鳥塚亮氏を原文まま転載します。
赤組でもなく青組でもなく、アイスクリームの飛行機が車いすのお客様を乗せる乗せないでもめたようですね。 私も長年航空の現場で働いてきましたが、車いすのお客様がスムーズにご利用できることは、ふつうに考えたらあたりまえのことで、今回のアイスクリームさんは、搭乗ブリッジのない沖止めスポットに飛行機を駐機しているにもかかわらず、階段を上れないお客様のための手段を用意しておかなかったというのが、会社側としての敗因でしょうね。 これは言い訳ができないと思います。 通常は、タラップを使用する沖止めスポットの場合は、ハイリフトと言って、移動式のバスのような車にお乗りいただいて飛行機に向かうのですが、飛行機の横に到着すると、通常とは別の入口を開けて、そのバスがググッと上昇してドアの脇にぴたりとくっ付いて、車いすのまま横移動で機内に入れるようになっています。 奄美の空港ではこれが用意できていなかったというのは、航空会社にとっては致命傷です。弁解の余地はありません。 奄美の空港に、本当にハイリフトがなかったのかどうかはわかりませんが、あったとしても1台チャーターするのにお金がかかります。現在いくらかは知りませんが、7000円とか、1万円とか、そこそこいい値段がします。 格安航空会社が、それこそ8000円とか1万円の運賃でお客様の予約を取っているのに、車いすの方が一人いるだけで、乗る時と降りる時の2回にそれぞれ1万円も費用が掛かるなんてことは、会社としては考えてしまうでしょうね。 奄美空港にだってボーディングブリッジを使用するゲートはありますが、そういうゲートに飛行機を入れると、いわゆる着陸料とかスポット使用料が高くなるんです。タラップの沖止めの方が安いから、格安航空会社はそういうところの費用も当然切り詰めてオペレーションを行っています。ということは、コストを考えたら車いすのお客様には乗ってほしくないと、もしかしたらそう考えてるかもしれません。でも、これって、アウトです。 以前に、「車いすのお客様は正規運賃の切符を買ってください。」と言った会社がありましたが、これもアウト。 確かに手間もコストもかかりますが、そういうことを車いすのお客様に意識させたり気兼ねさせたりするのは、少なくとも公共交通機関としては認められません。 車いすだろうが、介助が必要だろうが、気兼ねすることなくご利用いただけるシステムを作ることが公共交通機関である航空会社の使命ですから、ちゃんとやらなければならないのです。 ただし、これはあくまでもお客様の側の理論であって、同じ公共交通機関であっても、飛行機というのは電車やバスと違って様々な規定があって、その規定というのはセキュリティーを守って安全輸送を行うための規定でありますから、多くの場合、お客様にご不便をおかけすることがあるのは皆様ご存知のとおりであって、例えば液体品は持って入ってはダメだとか、手荷物の大きさのサイズが決まっていたりなどということは、そういう規定に基づくものなのであります。そして、その規定というのはお客様が車いすだろうが、介助が必要だろうが、そういう状況を理由に免除されるものではありません。 例えば、車いすのお客様は、機内で座ることができる座席が決められています。 一例を挙げれば、非常口の前のような足元の広い座席は、介助やお手伝いを必要とする方はお座りいただけません。当然車椅子のお客様にも非常口座席はご利用いただくことができません。 お客様本位に考えれば、体の不自由な人には広めの座席を提供した方が、乗り降りも便利だしお手伝いもしやすいと思われるかもしれませんが、これは航空法で禁止されています。なぜなら、緊急事態が発生した場合には、非常口座席のお客様は乗務員の指示に従って他のお客様の避難誘導をお手伝いしなければならないからです。 同じように、車いすのお客様は通路側のお席にお座りいただくこともできません。 ABCと窓側から3席並んでいるような場合は、A席にお座りいただくことになります。 体が不自由なんだから通路側のC席の方が便利だと誰もが思われるかもしれませんが、緊急事態を想定した場合、車いすの方がC席にいると、AB席の人が脱出できなくなります。通路をブロックされてしまえば、後方の人たちが脱出できなくなってしまいます。 緊急事態の場合は、航空会社は決められた時間以内にお客様を脱出させなければなりません。飛行機というのはそういう風に設計されていてそういう運用を求められるわけで、そうなると車いすのお客様がお座りいただける座席というのは、決まってしまうのです。 車いすで飛行機をご利用のお客様はご存知だと思いますが、たいていは出口や非常口から3列目ぐらいの窓側になっていると思います。同じ機種であれば、不思議といつも同じ座席だったりするのはこのためなんです。 座る位置が決められているということは、一機あたりに乗せることができる車椅子のお客様の数というのも決まっているわけで、だとしたら航空会社としては、お客様が事前に車いすご利用である旨をご申告いただくことが必要になってくるのです。 最近ではインターネットで予約して事前座席指定をすることも多くなりましたが、その事前座席指定で、例えば車椅子に不適当な座席を指定されている場合、空港で調整が必要となります。空席が多い飛行機なら良いですが、満席の場合は調整が難しい。航空会社側はそのお客様が車いすだなんて情報は知らされてなくて、目の前に現れて初めて知るわけです。 するとカウンターの係員は手を止めて考えてしまいます。 さて、どうしたものだろうか。 そして奥に居るチーフに連絡を取ります。 「あっ、カウンターですが、No infoでWchのお客様がお見えになりました。」 するとチーフとしては、 「で、状況はどうなんですか?」 と尋ねます。 状況というのは、実は航空会社の規定では車いすのカテゴリーは3つぐらいに分かれていて、簡単に言うと軽度、中度、重度といった具合で、車いすが無くてもステップを上れる状態なのか、機内での移動はできるかなどで、乗せられるかどうか判断が分かれるのです。 カウンターの係員はそれを確認するためにお客様に質問します。 「お客様、階段はご自身で上れますか?」 そんなことは聞きたくないですが、その3つのカテゴリーのどこに当てはまるかで、乗せることができるかどうかを判断しなければならないのが職員の仕事ですからね。なぜなら、事前のお申し出がなかったのですから、カウンターでの確認義務が生じる。これが「チェックイン」ということだからです。 こういうやり取りを目の当たりにすると、お客様は不機嫌になります。 ムリもないですよね。 「俺が車いすなのがいけないとでもいうのか!」 そんな気持ちになるのも無理ないです。 でも、実はそうなんです。 お客様の側ばかりでなく、航空会社はその便全体を見て判断しなければならないからで、運航規定も守らなければならないし、時間も守らなければなりませんから。そして、飛行機の座席やタラップも、機内設備も、地上での折り返し時間も、すべては健常者の利用を前提にして設計されているというのも、これまたまぎれもない事実なのです。 だから、車いすご利用であったり、お手伝いが必要であったり、そういうお客様の情報は、会社としては事前に欲しいわけで、例えば今回のお客様の場合だって、事前に情報が入っていれば、沖止めスポットではなくてブリッジのあるゲートに変更してもらうことが可能だったかもしれませんし、実際に航空会社の職員としては、「車いすのお客様がお乗りです。」という情報を事前にその空港を運用する航空局の運用管理に連絡して、ゲート変更してもらうなんてことは当たり前のように行っているのです。 今回、この問題を提起されているお客様の場合は、スポーツマンですから上半身は通常の方よりも鍛えられているようで、だから自分でタラップを上ったということを強調されていますが、例えばパラリンピックの選手のような人たちは、機内備え付けの通路用の車いすなどは使用せず、自分で床を這って座席まで移動される方がほとんどです。そしてそういう方々は、手助けされるのを嫌がる人が多くて、階段だろうが通路だろうが、自分で這うようにさっさと進んでいきます。これって、知らない人がその光景を目の当たりにすると結構ショッキングだったりしますが、本人たちは当たり前に行っています。だから、手で階段を上るということも、自分ができるというのであればそれは特別なことではないし、そうするのであれば、そうさせるしかないのです。 マスコミが大騒ぎすることでもなければ、お客様ご本人が「俺は手で階段を上った。」と言いふらすことでもありません。 ただし、そういうお客様は、やはり事前改札であったり一番最後にお乗りいただいたりする必要があって、そういうことをお願いするのは差別ではなくて、スムーズなハンドリングのための手順なのです。 なぜならば、他のほとんどすべてのお客様のスムーズな乗降を妨げることは避けなければならないからです。 車いすのお客様は健常者に比べると配慮が必要なのは当然ですが、航空会社の職員は、その便全体を見ながら、すべてのお客様に快適に乗降していただくことが使命ですから、車いすのお客様にばかり関わっていることはできません。機内での乗務員も同じです。 他のお客様の妨げになるような可能性があれば、ご搭乗をお断りすることもあるわけで、だから事前にお知らせくださいと言うのです。これが航空会社側の状況です。 今回の騒動の発端となったお客様は、どうやらこれが初めてではないらしく、赤い会社や青い会社でも、同じようなトラブルがあったみたいですね。外国の航空会社でもやってるみたいです。 どのケースも、ふつうに予約して、いきなり空港で車いすであると告げてトラブルになっているようですが、そういうことを過去に何度も起こして、その時の航空会社側の対応を詳細に自身のブログに書き綴っているようです。 そういうことに関しては、私は非常に違和感を感じますね。 この方のWebページは こちら です。 ふつうであれば、何度か経験すれば学習すると思いますし、少なくともそれによって飛行機が遅れるようなことがあれば、無関係な他のお客様にご迷惑をおかけすることになるのですから、経験を糧にして、事前に車いす利用の旨を航空会社にひと言伝えるぐらいできると思うのですが、あくまでも自分が車いす利用であることについてのハンドリング責任を航空会社に帰属させて、それができていないことに対して世の中に問題提起しているようにしか思えないのですから、私は違和感を覚えるのです。 おそらくいろいろな活動を通して、車いす利用者のパイオニアとなって世の中を変えようとされているのでしょうが、飛行機が遅れたりすることで、他のすべてのお客様がどれだけ迷惑をこうむるかということに関してが欠けているように感じるのが残念ですね。 まあ、でも、こういう人が出てきてくれたおかげで、アイスクリームの会社も、きちんと考えるようになるとすれば、それはそれで一歩前進なのではないでしょうか。 格安航空会社といえども、公的使命がある以上、きちんとやらなければならないところは、きちんとやらなければならないのですからね。 いずれにしても、航空会社は車いすの方ばかりでなく、お手伝いが必要なお客様をきちんとハンドリングする準備はできているわけですから、お客様の方も、正確な情報を提供することですべてがスムーズに行くのです。 じゃないと、他のお客様に多大なご迷惑をおかけするということになりますからね。 それは本意ではないはずです。 もちろん、電車と違いますから状況によってはご利用をお断りするということだって考えられるのですから、そこのところを勘違いされないようにお願いしたいと思います。 この方の場合は、あくまでもご自身をパイオニアだと考えているのかもしれませんが、こういうことは今回限りということにしましょうね。じゃないと、世間の支持が受けられなくなるような危険性を感じています。つまりはそれが私が感じる違和感なのです。
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