TOM's Diary
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2006年01月24日(火) 粉飾決算

ライブドア株が監理ポストに入ったようだ。
上場廃止は間近だろう。

しかし、株価はライブドアの資産価値を下回ったようだ。
明日当たり”買い”時かもしれない。
しばらくは乱高下が続くだろうが、大きな利益を望まず、
小銭程度を稼ぐつもりなら明日当たりから手を出しても
良いかもしれない。無理な深追いをすると突然の上場廃止で
大きな痛手を負ってしまうかもしれないので、その辺は
自己責任で・・・


さて、今回のライブドアの容疑は、粉飾決算によって不当に
利益を多く見せることによって株価を吊り上げ資金を調達
していたことが、証券取引法に触れるとされたものだ。

粉飾決算とは決められたルールに従わないで利益が実際よりも
多いように装うことを言う。

しかし、粉飾決算など日常茶飯事ではないか・・・いや、それは言いすぎだが
棚卸資産の評価なんて、経営者の考えひとつで簡単に変えられるし、
(もちろんルールに則った評価をすることは求められるが)
経費を設備投資とごまかしたり、デリバティブ取引で利益を粉飾したり、
多くは倒産しそうな会社が行うことが多い。
いずれにしてもルールを逸脱しては犯罪である。

利益を実際よりも多く見せかけることは税金を多く払わなければならず
倒産しそうな企業にとって不利ではないかと思われるが、そうではない。
利益が多いほうが資金繰りを改善するために行われるのだ。
大企業ではカネボウやエンロンなどが良い例である。

粉飾決算ではないが、こんな事例もある。
ゴーン社長が就任した翌年の日産の決算。
新聞では「奇跡のV字回復」などと報じられたが、就任わずか1年
と言う短期間で黒字に転換することに成功した。
しかし、決算書を見ると、売り上げは伸びていないし、製造原価も下がって
いない。つまり、実際には回復などしていなかったのである。
変わったところと言えば、減価償却の方法を変えただけである。
(減価償却には定率法と定額法がある)

もちろん、減価償却の方法を変えることは手続きさえ踏めば証券取引法
違反ではない。
日産の場合は法的にそれなりの手続きを踏んだ上で減価償却の方法を変更
しており、また、そのことは公の資料にて、きちんと説明されている。
よって、決して粉飾決算ではない。
だが、決算書上は報道機関が言うとおり業績がV字回復しているものの、
その内情は前年度代わりが無いのも事実である。
粉飾決算ではない、つまりシロではあるが、かなりクロに近いのである。

なお、その後、工場閉鎖や人員整理によって経営状況は本当にV字回復
されたが、このV字回復の一番の要因はこの減価償却の方法の変更では
ないかと考えられる。
すなわち、減価償却の方法を変更で、見かけ上、赤字から黒字への転換
を行い、それにより、資金繰りがしやすくなったことが黒字化への大きな
原動力になっていることは間違いない。

日産のやったことが悪いことだと言っているわけではない。
法令は遵守しているし、経営戦略としては非常にうまい手法だと思う。


さて、日産のようなすぐれた経営戦略を持たない会社は、やはり粉飾決算に
よって資金繰りをなんとかせざるを得ない。それらの会社は通常、証券取引
法で罰せられるまでもなく、市場から見放され、ついには消失していくのが
常である。もちろん社会に影響を与えるほどの大企業の場合には、経営者や
監査法人の逮捕と言った結果になることもあるが、いずれにしても、なんとか
会社を立て直そうと必死の思いで止むにやまれず粉飾決算に手をだすことには
若干の同情の余地もあるだろう。

しかし、ライブドアは倒産などしそうな状態ではなかった。
過剰な利益を得るための粉飾決算となれば、「出る杭は打たれ」ても仕方
ないと思う。打たれるべくして打たれているのだろう。

それにしても、報道機関はホリエモンを叩きすぎではないか?
「出る杭は打たれ」て、平らにされるのは止むを得ないが、今の報道は、
「出る杭を」故意に打ち過ぎて、杭そのものをダメにしようとしているか
のようだ。

明日に続く。


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