TOM's Diary
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2004年07月02日(金) S氏と雨

S氏はお茶を飲みながら考えた。
梅雨なのに雨が降らないと夏になって水不足になるのではないか?

S氏は以前に水不足で断水になるのを経験したことがある。
給水車が来るとポリタンクを担いで水を貰いに行ったものだ。
しかし、水がいっぱいのポリタンクを担いで家まで持ち帰るのは大変だ。
そんな苦労はしたくなかったし、平日は会社に行っているS氏には
水を貰いに行くことさえ出来ないかもしれなかった。

では今のうちに雨が降るようになにか出来ないだろうか?
S氏はいろいろな方法を考えたが決定的なものはなかった。
一番の障害となるのは、発明した雨降り装置をどうやって
使うかだった。どんな装置を考えたにしても規模が大きく
なってしまうため、個人で使用することは難しかった。

そんな中S氏はすばらしいアイデアを思いついた。
雨が降らなくても水さえあれば水不足で困ることはない。
水なら海に行けばいくらでもある。町全体を水不足から
救おうとすると大変だが、S氏が使う分だけなら問題ない。
その程度ならS氏が開発しなくてもすでにそのような装置は
世の中に存在する。
S氏はさっそく海水を浄化する装置を買ってきた。

数ヶ月後、S氏は海まで海水を取りに行くより、
給水車から水を貰う方が楽であることに気がつくのだった。


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