TOM's Diary
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S氏はお茶を飲みながら考えた。 梅雨なのに雨が降らないと夏になって水不足になるのではないか?
S氏は以前に水不足で断水になるのを経験したことがある。 給水車が来るとポリタンクを担いで水を貰いに行ったものだ。 しかし、水がいっぱいのポリタンクを担いで家まで持ち帰るのは大変だ。 そんな苦労はしたくなかったし、平日は会社に行っているS氏には 水を貰いに行くことさえ出来ないかもしれなかった。
では今のうちに雨が降るようになにか出来ないだろうか? S氏はいろいろな方法を考えたが決定的なものはなかった。 一番の障害となるのは、発明した雨降り装置をどうやって 使うかだった。どんな装置を考えたにしても規模が大きく なってしまうため、個人で使用することは難しかった。
そんな中S氏はすばらしいアイデアを思いついた。 雨が降らなくても水さえあれば水不足で困ることはない。 水なら海に行けばいくらでもある。町全体を水不足から 救おうとすると大変だが、S氏が使う分だけなら問題ない。 その程度ならS氏が開発しなくてもすでにそのような装置は 世の中に存在する。 S氏はさっそく海水を浄化する装置を買ってきた。
数ヶ月後、S氏は海まで海水を取りに行くより、 給水車から水を貰う方が楽であることに気がつくのだった。
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