TOM's Diary
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今年もF1が開幕した。
初戦はオーストラリアGPである。これを書いている段階ではすでに結果も判っているのだが、そのことには触れない。が、あえて言えば佐藤琢磨の9位は惜しかった。予選の結果が良かっただけに、決勝レースでもポイント獲得を期待していたのだが。
この開幕戦からF1のレギュレーションが一部変更されている。 その一つに1GPで使用できるエンジンを1つに限定するという変更がある。 ターボ全盛の時代には予選用エンジンと言えば軽く1000馬力をはるかに超えるようなスペシャルエンジンを使用していた。見る側としてはこの強力なエンジンでの予選はとても迫力があり、楽しみの一つでもあった。今後はこのような楽しみはなくなってしまうのだろう。だが、この予選スペシャル、わずか数周走れればよいと言うエンジンであった。耐久性などあったものではない。レギュレーションの変更後は従来の倍の距離を1つのエンジンで走りきらなくてはならなくなる。これは技術的に非常にすばらしい発展を遂げる可能性を秘めていると思われる。
自動車メーカーがなぜF1のような金のかかるモータースポーツに参加するのかと言えば、もちろん企業イメージのアップがあるだろう。しかし、それ以外にもモータースポーツで得たノウハウを市販車に生かすと言う理由もある。そう言う意味では、ハイパワーでなおかつ耐久性のあるエンジンを作ると言うことは非常に意義のあることではなかろうか。
この開幕戦から変更になったレギュレーションにはオートマチックトランスミッション、いわゆるオートマの禁止がある。 これは果たしていかがなものだろうか?世界中を走る多くのクルマはオートマとなっている現在、時代に逆行するレギュレーション変更ではないだろうか?F1の世界で通用するオートマが市販車のオートマにも技術的に反映されたとしたらそれはとてもすばらしいことではないか?個人的にはCVTのような無段変速機採用がF1もしくはモータースポーツでも採用されれば、現在のオートマよりもはるかに効率的で、環境にも優しいクルマが出来上がるのではないかと思っていたのだが・・・
以前、1.5Lターボエンジンが主流だったF1が3.5Lの自然吸気エンジンに変更になったときに、次のようなコメントをしたジャーナリストがいた。 「レギュレーションの変更でF1エンジンはV10もしくはV12型の大排気量エンジンになってしまった。現在(当時)の市販車の主流は、リッターカーもしくはせいぜい2Lで、エンジン形式も4気筒から6気筒であり、V12エンジンはごく限られたクルマにしか採用されていない。市販車への技術フィードバックと言う意味合いから考えて、とても現在のレギュレーションは時代に逆行しているのではないかと考えざるを得ない。」 このころアクティブサスペンションも禁止されてしまった。もし、禁止されていなければ、アクティブサスペンションの技術はいまごろ市販車で当たり前の技術になっていたかも知れない。
今回のレギュレーション変更でオートマの禁止がされた理由はいろいろあろうが、すくなくとも市販車の発展に関して言えばマイナスとなってしまったのではないだろうか?
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