TOM's Diary
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S氏はとても役に立つものばかり作ることで近所の評判になっていた。
たとえば、火星人の言葉を人間の言葉に翻訳する装置などがそれであった。
S氏近所の人に装置を見せた、3日後に偶然に火星人がやってきた。NASAの人たちがやってきてこの装置を借り上げ、実際に使われたときには近所の人たちはとても驚いた。 S氏は自分が火星人に会いたくてこの装置をつくったのだが、NASAの人たちは連れて行ってくれなかった。
夜でも太陽が出ているように出来る装置も、近所の人たちはまったくそんな装置が役に立つとは思っていなかったが、その1週間後、町で強盗事件がありその犯人を捕まえるのに役にたったときには、S氏に大変感謝した。 しかし、S氏はほんとうは朝になっても太陽が出ないようにして、会社をサボりたかっただけだったのだが、その作戦は失敗に終わってしまったのだった。
ある日、S氏はクモ型ロボットを完成させた。 普段は小さいのだが、じっくり見ていると非常に大きくなるクモである。 近所の人たちはこんどこそ役にたたないものを作ったと話あっていた。 実際そのロボットは一ヶ月間なんの役にもたたなかった。
しかし1ヶ月たったある日、町で交通事故が発生した。 はねられた子供は100mほど飛ばされ、地面に叩きつけられるところだった。 しかし、たまたまクモ型ロボットがその場所に巣を張っていたために、子供は無傷で着地することが出来た。
警察は感謝状と一生遊んで暮らせるほどの賞金を出すことになりS氏は喜んだ。 しかし、残念ながらS氏ではなく、クモ型ロボットに贈られてしまった。
S氏にとって、S氏の趣味はまったく役に立たないものばかりであった。
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