TOM's Diary
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2004年02月24日(火) バス

川に向かってジャンプして以来、自転車通勤にこりごりしたS氏はバス通勤を始めた。

雨の中、傘をさしてバス停でバスを待っているとS氏の目の前に信号待ちのクルマが止まった。
すぐ後ろにはバスがやってきた。
もう少し信号待ちのクルマが前に詰めてくれればバスはバス停までやってくることができる。2、3台前のクルマが気がついて少し前に詰めるがその後ろのクルマもそのさらに後ろのクルマも前に詰める気配はない。信号が赤のうちにバス停に待っている人たちがバスに乗れれば、信号が青になったときにバスはすぐ発車できバスの後ろのクルマも余分に信号待ちしなくてすむ。みんなのイライラばかりか環境にも優しい。2、3台前のクルマのようにみんなが信号待ちであってもつねに周囲の状況をきちんと把握しながら運転できるドライバーであればよいのだがと思うのだが、どうやらそう言うドライバーは少ないようだ(前方不注意で川にジャンプしたS氏も他人のことは言えないはずだが、S氏的にはそれとこれとは別の問題のようだ)

そんなことを考えているとS氏はだんだんイライラしてきた。目の前のクルマのドアを蹴っ飛ばしてやりたい・・・などと思ったときには、すでに足はドアを思いっきり蹴っ飛ばしたあとだった。

S氏は全身から冷や汗をかいた。
あわてて逃げ場所を探してキョロキョロする。
クルマのマドがあいた。
ヤバイ〜!
S氏はブルブル震え始めた。

運転席からこちらを見ていたのは雨のためにバイク通勤を諦めた同僚だった。
「なんだSさんだったんですか、そんなに強く叩かなくてもいいのに。
よく私のクルマだってわかりましたね、一緒に行きましょう、どうぞ乗ってください。」

S氏は必死でまだ収まらない震えがばれないように、クルマに乗り込むと
「いやぁ〜、ちょっと見覚えがあるクルマだなぁと思ってさぁ〜」
あまりに上ずった声に同僚はS氏の顔を覗き込む。
S氏は必死で目をそらし、同僚がドアの凹みに気がつかないで居てくれることを祈るのであった。


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