Leaflets of the Rikyu Rat
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2007年01月25日(木) |
水泳がうまくなっていくのに死にそうな顔をしているのはどうしてなのか |
気付けば大学生という範疇にも残り数ヶ月しか属せ無くなっている 大学にはほとんど行かなかったが後悔はしていない 教科書を買わなくても単位を取る術も経験則から導き出され 試験にしか行かないのに三年で単位は整斉 僕が大学に行ったと言う記録は履歴書にしか残らないような気もするが
しかし与えられたモラトリアムは十二分に享受したように思うから お前には四年間という刻が与えられるのだと言う脳内アジテーションには翻弄され過ぎたが もっと時間を大切に使えば良かったなんて思うくらいならこれからもジェットコースターに乗りたい 月日は百代の過客にして タイムマシンは要らない 懐古して悦に入るくらいなら自動販売機で小銭を漁る方がかわいいと思う 一円でも見つかればいいと自販機の下まで手を突っ込む男を応援するなら僕が千円恵めばいいのか 終わりなど無いなら自分のために遠泳する たとえば波が大きくて進退の判別が付かないにしても ふらふらと水の中を漂うことが 漂い続けることこそが
謹賀新年あけましておめでたい頃 「学生の癖に太るだなんて贅沢だ」と親戚の伯父に言い放たれる そういえば僕は学生だったのだと久方ぶりの自覚 食べるのは足りないものを補うためで だから時折暴食するのです 足りないのです 足りないから 食べて太る 太るのは贅沢の証なのかもしれませんが 僕は学生ですが あなたは何様なのでしょうかと不言で営業用に喜色 芋焼酎を勧められ飲まされる飲まされ 泳ぎたくなる 飲んで泳ぐと酔いの回りは素晴らしい 目の前に壁が見えたのでクイックターンをしようとしたら爪先は水を蹴った 壁など無かった
(題名は安川奈緒「神代辰巳のナンバースリー」より引用)
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