Leaflets of the Rikyu Rat
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2005年11月19日(土) 溺レる

 近頃妙に吐き気を催す。
 吐き気を覚えながらも隙間を詰め込むように食を重ね、更なる吐き気の波がやってくる。
 波が遠ざかるのを静かにやり過ごし、再び食べ始める。
 まるで最近の日経平均株価のように吐き気と体重は鰻のぼり。
 どうなることやら、それでも食べることを止められない。

 以前はどれだけ食べても六十キロを超えることが決して無かった。
 食べても食べても太れずに、がっしりとした体型にあこがれるばかりだった。
 最早七十キロに到達しそうな勢いである。
 酒も浴びる程飲むようになり、新陳代謝やら何やらの機能も低下してきたのだろうか。

 以前の僕では無くなってしまったのだなぁ、などとふと思った。
 今の僕は今の僕であって以前の僕ではないのだから、
 今の僕が以前の僕では無くなってしまったなどということは当たり前であるはずなのだが、
 改めて考えてみると何だか不思議な感じがした。
 僕はもう、どうやら以前の僕では無いらしい。

 食に溺レる・アイヨクに溺レるのは逃げているからである・怖れているからである、
 と書かれていたのを読んでしまい、頭ではわかっていたけど逃げていた僕は、もう逃げれなくなってしまった。
 いつまでも溺レていることができなくなってしまった。(僕は泳ぐのが得意だったはずなのに。)


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加持 啓介 | MAIL

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