Leaflets of the Rikyu Rat
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2005年04月25日(月) 荷物を撤収する

 (日曜の出来事を記す。)

 結局予告されていた彼からの電話を待つことを諦め
 二時過ぎに布団に潜ったものの、
 完全に目は冴えわたり寝付いたのは三時半頃だった。
 朝七時に彼からのメール音で起きた。

 「ごめんごめん。一昨日ほとんど寝てなくて昨日は八時に寝ちゃったよ。」

 という旨であった。
 八時って、「夜の用事」はどこ行ったんだよ、と独り悪態つく。
 午後一時に梅田で待ち合わせをすることになった。

 和食店にて昼飯を食うことになる。
 僕はにこにこと対応を取ろうとしていたのだが、
 どうしても良い顔が出来ずに不機嫌さが醸し出されていたと思う。
 「そんな顔するなよ」と会ってすぐ言われた。我ながら鍛錬が足りない。
 ただ、本当に不機嫌で、もう二度と会うものかと言う覚悟でその場へやってきたのだった。
 彼の理不尽さや狡さを攻め立て
 プライドを傷つけ
 貶めることで
 少しでも自分自身が救われればと思っていた。
 けど、すぐにそんな気持ちは消えてしまった。
 もし仮に僕がブチキレて彼との関係性をまったくのゼロにしてしまったとしても、
 無意味でしか無いのだと気付いてしまったのだった。
 ゼロにしてしまうにはあまりに悲しかったし、
 僕の一年間も彼の一年間も無意味でしかなくなってしまうのだ。
 暗澹たる状況でどろどろな終わりを迎えるよりは
 僕の大好きだった彼をにっこり送りだしてあげたほうが、
 僕のためにも彼のためにもいいはずだ。
 僕も懊悩の渦に飲み込まれたくなど無かったし
 彼もまた僕のために罪悪感を感じたりする必要は無いのだ。
 
 僕は彼のことが今でもこころの底から好きだし、
 であるならば、僕は大好きな彼がしたいようにするのが一番良いのでは無いかと思った。
 
 僕にとってありえないなと思ったのは
 もし僕が彼と一緒に住みたいとわがままを言ったとき
 彼の家に住みたいと言えば大歓迎したのにという彼の言葉であった。
 もしそんなことを彼が僕に言ってくれていれば
 僕はさっさと荷物をまとめて彼の家に住み込んでいただろうに。
 彼は僕を彼の家に呼びたかったらしい。
 しかし僕が彼の家族を苦手だという理由で
 言おうとはしなかったらしい。
 



 ――ふう。

 やはりすれ違っていたのかもしれない。
 もっとお互いよく話し合っていれば、ずっと上手くいっていたのかもしれない。
 けど実際はそんなに話し合う時間なんて無くて、
 一緒に居られる時間も無くて。(僕は時間をとても持て余していた。)
 もはやいまさらどうすることも出来ない。
 少しだけ残念だった。

 一度解散し、夜にまた彼が、今度は僕の家に来ることになった。
 僕の家に来て、僕の家においてあった
 彼のわずかながらな荷物を持って帰ることになったのだ。
 ほんの少しの彼の衣服に
 僕が誕生日に上げた大きめな犬のぬいぐるみ。(置く場所が無いといわれて僕の家に置いてかれていた。)
 
 少し昔話をした。
 僕と彼が付き合っていた一年間とちょっとの期間について
 いろいろと話をした。
 これからは良い友達としてやっていければいい、と彼は言った。
 イー友達はキスくらいするもんだと言って僕にしてくる。
 いやあ、ずるいもんだ。
 うれしいけどね。複雑だよね。けどうれしいんだけどね。

 ごろごろと

 午後十時半頃まで
 ごろごろとして
 とりとめもない話をして
 彼は帰って行った。




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