佳境★な輝版『戦闘妖精・雪風』 前章で戦死してしまったサミア大尉は早速、回想に登場。一応、メインだしね。 で、輝流にこねくり回しての今回の展開は『グッドラック 戦闘妖精・雪風』第一章での出来事。大まかな経緯はそのままだが──十三番機絡みな点が正に輝流。 とにかく、他人に無関心な深井零。自身に起きた衝撃的事件のせいで、多少は変化があり、ジャム人間たる矢頭少尉には複雑な共感?を持つに至ってはいたが、その他はアウト・オブ・眼中★(死語かねぇ) 十三番機そのものにもまるで、注意は向かず──撃墜。 命じたのはブッカー少佐だが、こちらも大して悼みも見せず。貴重な戦隊機を失うのも損害だろうに、それ以上にアンタ、生みの親だろうがっ。随分な態度じゃねーの。他のシルフだって、“娘”だろーに。それとも、“娘”は“雪風”だけかい?
悲しいのは二部作合わせて数P登場のサミア大尉だけではない。十三番機にはパーソナルネームもない。 実はブーメラン戦隊の戦隊機全十三機全てが作中に登場するわけではなく、原作者《かみ》たる神林氏に命名されたのは半数ほどだ。 ただ、準公式扱いされている設定(石堂藍氏編)があり、戦隊機のパーソナル・ネームから、パイロット、フライトオフィサとその経歴までが用意されている。 ところが、その中にあっても、僚機たる“雪風”に撃墜されるという劇的な運命を辿る十三番機だけにはパーソナル・ネームが設定されていない。更にはサミア大尉と組んでいたはずのフライトオフィサも不明のままなのだ。 今回、輝がサミア大尉と組ませたンムド中尉とは、原作キャラではあるが、『グッドラック 戦闘妖精・雪風』中盤での登場時──といっても、セリフの中のみでの登場だが、既に近く退役の決まっている、時の特殊戦では『最も優秀な電子戦要員=フライトオフィサ』とクーリィ准将に評されている。しかも、何番機に搭乗していたかは不明だった。んでもって、時の階級は大尉。 回想内の出来事は四年以上は前なので、ここぞとばかりに登場を願った。階級も一階級下げてね。こういうキャラの使い方が妙に楽しかったりもする。当然、セリフ内のみの登場なので、性格付けも全くない。最も使いやすいキャラともいえる。
そして、十三番機だが、輝は“ガルーダ”と命名した。インド神話に於ける鳥の王。それも、ただの鳥ではない。神の中の神ともいわれた最強の雷神インドラ神とも互角以上に戦える(いや、アレは絶対に勝ってるってば)鳥の王だ。 その翼の巻き起こす風は、並みいる神々を打ち倒したと云う。 因に仏教にあっては、『天龍八部の迦楼羅』となる。……まぁ、輝の同人原点の話にも関わり深いんだよねぇ。あぁ、懐かしい^^; シルフと呼ぶには少々? 奇天烈な姿をしているのがアレだが、ま、『金翅鳥』なる漢訳もあり、鳳凰と結びついてか美しい鳥にも変化したのだろうか。 ……でも、確か鳳凰も真の姿は相当にキテレツなはず…………;;;
今回は原作絡みでもあるため、少々、苦労した。原作を読み返しつつ、何とか深井零の気持ちなども理解できるように努めたが──さて、どうだろうか?
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