航宙日誌
『革命戦記』と輝&Ark☆の珍道中?

2003年02月03日(月) 蒼穹の光跡

 17年前の惨劇を嫌でも思い出すコロンビア墜落。あの発射直後に爆散するチャレンジャーと見届けてしまった見送りの人々の姿は今でも鮮明に記憶に残っている。
 特にチャレンジャーでは初の民間人女性飛行士搭乗を大きな話題としていたので、より衝撃も大きかった。まだ日本人飛行士がいなかった時代で、日系二世飛行士の方に日本のメディアが注目していたような面もあった。
 歓喜と希望の発射直後の悪夢。人々の目前で炎に包まれ、飛び散る機体──その事実を期待しようもないほどに、まざまざと見せつけたものだった。
 今回の“コロンビア”は全てのミッションを終え、後は再突入と着陸だけというフェーズだった。後15分、せめて5分持ちこたえれば、緊急着陸態勢に入る可能性はあったと。どれほど訓練されても、対処のしようもない状況だったと聞く。

 “チャレンジャー”の事故以後、やっと再開され、軌道にも乗ったシャトル計画。再開第一号や初の日本人宇宙飛行士の誕生など、その時々では話題を浚ったシャトル飛行も最近では然程のニュース性はなくなっていたようにも思える。
 輝自身、近く予定されている日本人新飛行士の初フライトと今回の搭乗員の一人、インド系の女性飛行士の話をチラッと聞いた以外では正確な発射日も覚えてはいなかった。ニュースになるのはこのような事故が起きた時だけ──『アポロ13』のセリフが思いだされる。
 それでも、ニュースで「コロンビア」と聞けば、やはり真先にシャトルを連想する輝は、その第一報にもチャレンジャー同様「まさか」と耳を疑った。これで又、シャトル計画は一時停止、或いは再開もままならないかもしれないとも思う。
 科学技術の最先端の粋たるスペース・シャトルにも老朽化は避けられない。新機体が作られなくなり、新機種開発も遅れている。どうしても、現行機への負担が増える。それでなくとも、宇宙開発・研究費は莫大で、プロジェクトそのものの存続が危ぶまれる。
 ・・・ただ、地上の論理に縛られている身としては、宇宙に憧れを持つ者として寂しいことではあるが、それでも、他に地上にて為すべきことがあるのではないか、とも考えてしまう。莫大な予算の幾ばくかを回す余地がないことはないだろう・・・。

 とはいえ、宇宙も又フロンティアであることに変わりはない。その“地”に赴く人々が無駄なことをしているとも思わない。危険はあるものとして、ミッションに携わる宇宙飛行士たちに敬意を表するとともに、やはり哀悼を捧げます。
 残る“アトランティス”“ディスカバリー”“エンデバー”が再び、宇宙へと舞い上がり、引退するまで、無事帰還することを・・・。


 にしても、不謹慎だが、現在シャトル話を書いているので、何か気が引けてしまう。やっぱし、「素人を機長にするなんて、幾ら宇宙世紀でもムチャだよ」とね。突入シークエンス、書こうかと思っていたんだが、さて、どうするべきか。・・・悩むな。


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輝−Hikaru− [MAIL] [HOMEPAGE]

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