航宙日誌
『革命戦記』と輝&Ark☆の珍道中?

2002年06月13日(木) 十日前の奇跡

 ネットを始めて、14ヶ月。思いがけない発見やら出会いやら、何やらと色々あったわけだが──十日前に極めつけな出来事があった。

 思いがけない・・・というなら、同人界に足を突っこんだことから始まっているのかもしれない。その歩みの中でも、信じられないような巡りあわせはあった。
 昔、『ZZ』本放送当時、同じブライト・ファンと思しき綺麗なイラストをよくアニメ各誌に投稿されている方がいた。いつしか、今月も取り上げられているだろうか、と毎月を楽しみにしていたものだった。
 それも『逆シャア』公開終了頃から、段々と見かけなくなり──輝自身もアニメ誌から次第に遠ざかるようになっていった。輝が知っていたのは当時のその方のPNと在都道府県のみで、思い出となった。・・・ハズだったのが、その方は実は同人で、未だ描き続けていた。それを輝が知るのは何年かの時間を経てからのことだ。
 全く別の作品で、今さらのようにアニメを見直し始め、とある地元の小さなイベントに偶然、行き当たり──そこで同人活動なるものを知ることになる。更に暫しの時間をおいて、自身もサークルを作るに至り、その小さなイベントに参加するようになる。何度目かの参加時に、懐かしい作品と好きだったキャラを扱っているサークルさんに遭う。そのサークルさんを追って、やがてはコミケやSCCにも一般参加し、他のサークルさんの本なども手にしていく。
 そうして、思いがけず発見した。あの、昔好きだったイラスト描きさんも又、活動していたことを。その連絡先までも──。
 初めて、その方を知ってから優に十年・・・輝が同人を始めてからも、三、四年は経っていた。その住所さえ、当時の数年前のものだったが、望みを繋ぐように手紙を出してみた。幸運にも、さほど間をおかずに返事がきた。あの時の嬉しさと感動は絶対に忘れない。
 思えば、別作品で活動していた輝が、本当に今さらのように『ガンダム』にも手を出し、未だに続けていられるのも、きっかけはその方の一言にあった。すでに『FG』もの、特にブライト絡みの同人誌が少なくなっていた時分──多分に何気ない一言だったのだと思う。御本人は覚えていないかもしれない。

「輝さんはどうですか?」

 本当にそれだけ。何気ない、押しつけなどあるはずもない一言・・・けど、それで十分だった。
 あれから、もう六年・・・今では『G』がメインとなり、その方とはわりと頻繁に連絡を取りあえるようにもなっている。
 あの頃・・・ただ、イラストを眺めていただけの頃からは考えられない。幾つもの選択を経て、生まれた、これも一種の奇跡と思う。


 それと同様か、或いはそれ以上の、ネットならでは奇跡。

 検索をかけ、リンクを辿り──思わぬサイトを発見する。・・・というほどには出歩いてはいないとも思う。結局のところ、手探りで進める範囲だけ。どれだけのサイトがこの電脳の海に漂っていることか。中には島になっていたりもするが、例えば『革命戦記』などは波間に漂う幾億万の浮木の一欠片にすぎない。
 そんな大海を悠然と泳ぎぬく方もいるもので、時には浮木に捕まったりするらしい。
 丁度、十日前──一通のメールを受信した。珍しくも、外伝コンテンツに対する感想だった。思いもかけない反応。そして、凡そ想像できるはずのない差出人・・・。


 同人活動を始めて、輝でさえもが、あっという間に十年。六年目の『G』にも実をいえば、行き詰まりを覚えたりもしていた。書きたいことはあっても、気持ちが追いつかない。焦りと苛立ち──追い討ちをかけるように、夏コミ二連敗。やはり、活動そのものを見直すべきなのか・・・そんな考えも掠めていく。
 自然、ワープロに向かう時間が激減し、埋めるようにPCに向かうだけの日々も増える。
 それでも、書くことをやめたいとまでは思わない。大袈裟な言い様だが、細々とまるで、命を繋ぐように一編だけの、外伝小説を今も書き続けている。それを楽しむこともできる。

 たった一通のメールが、その命を繋ぎとめる水のように、意欲を潤そうとしてくれている。
 信じがたいほどのタイミングのよさにも思う。

 ──苦しいとは感じないのなら、まだ、歩いていける。


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輝−Hikaru− [MAIL] [HOMEPAGE]

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