本日の『どうぶつ奇想天外!』にて、オーストラリアの野犬ディンゴの特集。 TV画像とはいえ、動いている姿を見たのは初めてだった。
犬の祖先に最も近いとされる“ディンゴ”は既にオーストラリア大陸が海で切り離された後に渡ったとされる。その大陸は有袋類の世界であり、ディンゴは唯一の哺乳類とされた。乾燥地帯の多い大陸で、エサは少なく、過酷だったという。 それ故か、ディンゴは家族の繋がりが強く深い。だが、一方で生存競争の結果か、別の一家とは敵対関係に陥るという。メスを奪い、他の子どもに牙を剥く──他の生物にも共通することだが、“より強い者のみが子孫を残せる”のだろう。 その生活圏が大きく変わったのが人間の入植だ。同時に放牧された羊はディンゴにとってはまたとない獲物。返せば、人間にとっては財産を襲う“害獣”でしかなく、その武器の前に狩り出され、一時は絶滅寸前にまで追いやられた。 数が減ったことで、ディンゴに別の道が開けたのかもしれない。羊を襲うほどにも残らなくなり、希少性に目を向ける人間が現れた、ということだろうか? 古代を色濃く受け継ぐ野生の犬ディンゴが何と、ペットとして扱われ出したという。首輪をはめ、鎖に繋がれ、主人とともに散歩するディンゴ・・・。その姿は他の“普通の犬”と何ら変わることはない。しかし、一目で、それがディンゴなのだと見抜けない限り、実際それは全く日常の光景なのだろう。 それでも、古代に溯る野犬にしては、痛々しい姿と思うのは勝手な感傷だろうか。 ただ、ペット化により、別の問題が生じてもいる。いわゆる“普通の犬”との“雑種”の誕生だ。同じ生活圏に存在し、また種が至極近いのであれば、これも致し方ない。(狼と犬の間でもあるそうなのだから) 何れは“純粋なディンゴ”が失われる日もくるのだろうか。 そして・・・『宇宙世紀』には既に“ディンゴ”も『伝説上の生物』となっている可能性もある・・・と考えるのは些か淋しい。
動くディンゴは狼とはまた違った精悍な生き物に見えた・・・。
|