僕の名前は祖父が考えた候補の中から両親によって選ばれ つけられたものだそうだ。 父は長男で僕は初孫だったから祖父も嬉しかったようだ。 祖父が巻物のような半紙にそのまま筆でサラサラと字を書く ことは前にも書いたが、僕の生まれたときの名前の候補は 正にそういう巻物に書かれ、送られててきたらしい。 (当時、新婚の両親は祖父とは別に暮らしていた)
今の名前はそれほど変わってはいない。時々は芸能人の 名前にだってあるし、ごく普通の名前である。苗字にあった よい名前で祖父のセンスも中々と思うものである。 が、しかし、当時両親、特に母は大変困ったそうだ。 例の巻物に、100近く名前の候補が書かれて送られてきたのだから これはどうしてもこの中からつけるしかない。ところが、並んでいる のは、杉作、門左衛門、文の臣、権乃助、などなど。少しは モダンな名前もいいかなと思っていた母は、愕然としてかなり 悩んだらしい。最後のほうにやっと現在の名前が出てきて 「もうこれしかない」=これがぴったりではなく。 これ以外はあまりにもかわいそうという理由で現在の名前 になったのであった。
それにしてもその巻物どこにいったのかなぁ
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