サウンドスケープ

2004年01月08日(木) バットミツバ(ユダヤの成人式のようなもの)


このカタカナ表記は正確でないかも。でも、何度聞いてもそのように
聴こえる。反復すると「Low!(Noの意味)」と言い直される。でも、
やっぱりバット・ミツバと聴こえる。
(※追記 
 実は、男の子はバルミツバ、女の子はバットミツバというのだった。
 僕は混同していて、いつも間違えていた。)

日本でいうと成人式のような、年齢では七五三のちょっと上版のような。
男の子は13歳、女の子は12歳になると宗教上の責任を負うことができる
ようになり、そのお披露目の儀式兼パーティーである。選挙権は18歳なの
だが、丁度難しい年齢を迎えるこの時期に、自分たちがどのように、どこ
まで責任を負えるのかを自分で考え、感じ、自分を確立していけるように
なってほしいという願いが込められている。出席者は非常に多く、大抵
500人近くいるらしい。つまり、この年齢になると地域の人、親の関係者、
政治家なども含めて、子供たちは顔を正式に知られることになる。
僕が出席したバットミツバは女の子のものだった。彼女はトーラーという教
典から自分で選んだ一節を朗読し、自分の意見を述べて、立派な挨拶をした。
日本でいうと12歳。僕の長女も12歳だが、比較すると、体はともかく精神的
にはあまりの幼さに、日本やばいぞ!と思わざるを得ない。

僕を連れて行ってくれた友人いわく「大人になりなさい。でもまだ、あれは
しちゃだめ。これはしちゃだめ、という矛盾の中に入る時期の子供たちが、
自分と社会とに折り合いをつけていくことを理解していく年齢」だそうだ。



ここで500人近くいる参加者はご祝儀を包んでくるが相当な金額になる。
両親はこのお金で子供を海外旅行に連れて行き、自分が世界の中で、
どんな位置づけにいるかを体感させるという。英語は10歳から習うので、
日常会話は問題ないから、イスラエルの子供たちは、12〜13歳で世界を
意識し、「学校TOPや県のTOP」ではなく、無意識的に「世界」を”意識”
して成長していくことになる。

日本では、そうした自覚を持たないまま、思春期を過ごし、世間にデビュ
ーしないまま、自覚もなく、「少年A」から突然18歳・20歳と法的に「大
人」になる。新年に渋谷でハメをはずす光景、駐車場でたこ踊りをする
チームの映像を見て、恥ずかしく悲しくなってしまった。

ウチの娘は中学受験の勉強中。思わず考えてしまう。


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