京のいけず日記

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2004年09月03日(金) おばちゃんの現実逃避

立ち姿昨日。久々のボラにいった。

長期講習の仕事が入ればまた行けないから
かえって迷惑だわ、と
しばらく辞めようかと思っていた。

でも、待っていたように
他のメンバーが行けなくなって
ピンチヒッターを頼まれた。

音声読み上げソフトを使用する
パソコンの操作サポート。

あまり役に立っていると思えないが、
アテにされていると嬉しい。
「ありがとう」と言ってもらえるだけで嬉しい。

豚も木に登る。

その連続で夜の仕事に行く。
往復2時間かけて、正味2時間の授業。
効率の悪い仕事だなぁとボヤキつつ
帰りは駅までダンナに迎えにきてもらった。
ありがと(…って読んでないや)

家に帰ったら受験生の長女が
最近では珍しくなった、
ペンタブを持って絵を描いていた。

うまいなぁ。色の塗り方が絵画的なのだ。

刺激されて長女が寝にあがってから
こそっと落書きを描き始めた。

…豚は木に登れないや。ちぇっ。


着流し、普段着の歳三さんってこんな感じ?


ある日の歳三さん像の話♪
もしも、土方歳三が、ひょっこり目の前に現れたら…とトレースしてみる。

「え?これがあの土方。憧れの人?」というぐらい
きっと普通の人なんだろうなぁ。

思うに劇的なことは何もなくて、質実で素朴な人…そんな気がする。
身の回りは華美にならず、不必要なものは置かないタイプ。

仕事して家に帰ってきて、部屋が片付いていなかったら、
文句を言うわけでもなく、ましてや代わりに片付けるわけでもなく、
その代わり無言で背を向け、踵を返す人。

洋服にブラシをかけ、長靴をまめに磨き、着物は折りたたんで
結構、じじむさ…いや…そんな、きちんとした人。

そこへいくと山南さんは、
擦り切れた着物から財布を落としそうだったというし、
そういうことには無頓着だったようで、何だか身近に感じるなぁ。

きっと。だらしなさに際限のない私には窮屈な人で、
歳三さんにとっては女の部類に入らないんだろうなぁ。

こうやって、色々なイメージを想像して、おもちゃにして
恋焦がれてるのがいいのかもしれない。

これを。手が届かないゆえに安心して気迷いできる、
おばちゃんの現実逃避、恋、慰めという。
ヨンさまや、マツケンや、きよしさんと同じものか。しょえーーー。

ううん。ただ。うちは知りたいだけやねん。
歳三さんがどんなふうに生きていたか、を。


魔法のランプがあれば♪…と例によって想像してみる。

理由も知らずに冥界から呼び出され、憮然と立ちすくんでいる歳三さん。
その前には、にへええ〜、と顔を真っ赤にしてる私。

「呼びだしたのは、おめえさんかい?何の用だ」

「あ、あの…その…え…」

「用がねえなら帰るぞ」

慌てた私は歳三さんの元に駆け寄り、
遠慮がちに腕を回して、ぱふっと胸のあたりに顔をうずめる。

呆然と固まる歳三さん。

そして、雪焼けで少し浅黒くなった頬を手のひらで包んで、
少したれ気味の両方の瞼を、
髷を結ってた時のように引き上げてみたりする。

だるまさん、だるまさん、にらめっこしましょ♪
笑うと負けよ。アップップ♪ 惚れ惚れ〜〜〜。

「なっ…」

さらに、漆黒の豊かな髪に触れ、
はえぎわのおでこのあたりから持ち上げてみたり。

歳三さん、でこ広ーいんやー。にまぁああ…。

「おいッ」

不機嫌に眉間に刻まれる皺。すぐさま元の位置へダッシュする私。

「はぁ、はぁ、は…。ま…、ま、また来てや、歳三さん」

真っ赤な顔で、肩で息しながら、

「お、おい…待てっ…」

有無を言わさず、冥界へ戻すボタンをプッシュ!
哀れ、バーコードのように、切れ切れに霞んでいく歳三さんの姿。

「な、なんだ、あいつはぁぁ。怖いよぉぉー。勝ちゃん」

フェードアウトしていく優しげな声。あぁ。幸せ気分の私。


そう。夢の中では、豚は木にも登り、空を飛ぶのだ。


Sako