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■ 猫じゃない。
黄色い体液を垂れ流し
ゴムホースのような腸管がはみ出し
見開かれた空ろな瞳が
道行く人に救いを求めている
道行く人は そんなワタシを一瞥しながら
ワタシがさっさと事切れて
残された抜け殻を 誰か早く片付けないかと
面倒くさそうに無視する
ワタシが完全から不完全に転げ落ちたからって
ワタシだったワタシをワタシ意外だと見捨てる
そう
彼らの共通する意識はただ一つに集約されている
「あれは猫じゃない」
ワタシはまだ猫だ
ワタシはずっと猫だ
ただ ちょっとだけ
不完全で死にかけているだけなのに。
2002年11月07日(木)
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