2001年12月10日(月) |
懐かしい作品を読みながら |
往復の電車の中、久しぶりに小松左京氏の本を読んだ。 大学時代にもっとも凝って読んだ作家だし、其の後も文庫本がボロボロになるくらい読み返してもいる。 当時外国のSF作家もかなり読んだけど、最後は小松氏に帰ってきたものです。
この人を単にSF作家と言うのはどうだろうか? 今でこそそのジャンル分けの呼称は薄れてきているけど、やはり小松左京氏は作家であり哲学者であり、本来なら政治家的資質のある人だと思う。
今日読み返したのは「袋小路」「偉大なる存在」 両方短編だから往復の電車で読みきってしまったけれど、やはりテーマが大きく「存在と認識」「思いと現出」など学生時代にもやもやと悩んでいたテーマに久しぶりに再会したような気持ち。
驚いたのは同じテーマに再度会った今回は、若い頃とは全く違う受け止め方をしたと言う事。 こちらも年を重ねたから当然との考え方もあるけれど、こう言う抽象的というかある意味で答えを確認できないテーマでは、こちらの経験以上に心境あるいは根本的な心情の変化がない限りそんなに捉え方の変化はないのではと思う。
確かにここ4〜5年で僕の考え方の基本は変わってしまった。 人や自分に対する考えも、世の中の仕組みや成り立ちに対しても・・・・
それでも、小松氏の作品はますます色を増しているように感じられる。 すごい人だ。
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