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■ 冬の訪れ
平和大通り(通称100メーターという)が冬に向かっている。 私は広島市の道路でこの100メーターがいちばん好きだ。 中央の道路を挟んで両脇が美しい並木で覆われているのだけれど、この美しい並木は、原爆投下後、日本国内と世界各国から贈られたものであり、人々の心がその木に宿っていると思うからだ。 実際、歩いてみるとよくわかる。 理路整然と同じ木が植えられているのではないから、木々の形も大きさも様々である。 それが故に、同じ木を整然と植えた歩道の並木とは違って、とても美しいのだ。
私は、毎日、ダーリンを会社に送り迎えしている。 ダーリンの会社はちょうど平和公園のすぐ近くにある。 だから、私は毎日この100メーターを車で横断し、帰りは並木を見ながら車を走らせて家に戻る。
紅葉の時期に赤や黄色に色づいていた木々は、いまその色を少しづつ枯れた色に変えている。 道路には様々な色合いの葉がたくさん落ちて、そこを歩けばまるでパッチワークの布の上を歩いているような気分になる。 そんな冬に向かっている平和大通りを車で通り過ぎながら、ああ、冬が来ていると思う私だ。
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2001年12月03日(月)
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