【File031】〝元祖美少女戦隊・・・変り種戦争映画〟編エピソード② |
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2002年02月28日(木)
一般企業における年度末のため、仕事が詰まって更新を疎かにしておりました。ご存知の通り「エンピツ」映画板TOP50滞留の期間が短くなり、現状のような記事の書き方(基本的に書き込む作品については出来るだけ見直す様にしてるんですが)では更新が追いつかない状況・・・ちょっとコレは内容の見直しを迫られている訳です。まあセカンドシーズン(Xファイルか・・・テメェー)の衣替えって事で、3月以降の課題ですワ・・・。で、今回はファーストシーズンのラストって事で〝ATFおすすめの「変り種戦争映画」編エピソード②〟をお送りしましょう。まあ戦車や戦闘機や兵隊さんがいっぱい登場するとか、派手な戦闘シーンがあるとかじゃないですが・・・ちょっと普通の戦争映画じゃ物足りない制作者たちによる「歴史に〝もしも〟があったなら」的拘り、一時期ブームとなった「架空戦記」的作品たちについて取り上げて見ましょう。それでは〝シーン31、カット2、ハアクション・・・(すんません風邪気味で)〟
【奇襲ヘリ戦隊・・・空翔けた女たち】 日本アニメは世界でも評価が高いですが、現在では一般の地上波で放送されるよりは、圧倒的にOAVや衛星系番組の比率が高くなっています。中でも美少女キャラが主人公である作品の人気が高い訳ですが、まあ大体は「正義の秘密組織によって特殊な能力を持った美少女たちが集められ、最新型の秘密兵器(多くは人型機動兵器=所謂ところのロボット)を操って悪の組織(外敵・異星人等)と戦う」ってストーリーです。で、この「奇襲ヘリ戦隊」ですが「連合軍総司令部(情報部)によって飛行機が操縦できる美女たちが集められ、ヘリコプターを操ってナチス・ドイツ軍と戦う」ってお話です。と言う訳で〝元祖美(少)女戦隊〟って事です。実際ヘリコプターが実戦に本格投入されるのは、第二次大戦後、朝鮮戦争から。この辺は名作「M★A★S★H」を観れば一目瞭然な訳ですが、既に第二次大戦中に実用化が進んでいました。降伏鹵獲された独Uボートの上空を飛ぶヘリコプターの写真を見た事があります。ヘリコプターの前身であるオートジャイロは、二次戦中に実用化されており各国で偵察・連絡・弾着観測などに使用されていました。まあそんな訳で、この「奇襲ヘリ戦隊」まったくの架空戦記映画という訳ではないんですよね。初作戦のユダヤ人物理学者一家救出作戦でいきなりリーダーが戦死したり、カナダ義勇パイロットとヒロインのラブロマンスがあったり、不時着した新型機上レーダー搭載の独夜間戦闘機奪取作戦でSASのコマンドを載せて史上初のヘリボーン作戦を実施したりと見所も多い作品ですが、戦争映画ファンの方々の評価は低いのは残念。バトル・オブ・ブリテンのシーンは「空軍大戦略」メッサーとの空中戦シーンには「脱走特急」のロケット弾攻撃シーンが使い回しされています。そう言えば、この作品の制作には「ペントハウス」が携わっているんですな・・・。
【リチャード三世】 いわゆる所の「シェークスピア物」な訳ですが、時代設定を中世から1930年代、第二次大戦前の英国に変更しています。生まれつきの肢体不自由の障害を持ちながらも頭脳明晰な王族軍人グロスター公リチャード(演じるはイアン・マッケラン)。到底廻っては来ない王座に終着する彼は自分の身内である兄弟や甥たちを次々に謀殺し、遂に王冠を手に入れます。ストーリーが進むにつれ、リチャードが国家全体主義的独裁者に変貌していく(終いには独親衛隊アルゲマイネ風軍服に身を包んで登場)姿は、どことなくヒトラーに似てなくはありません。最後は反リチャード派連合軍との英国を二分する戦いに発展してしまうんですが、戦闘シーンにはT62(すんません、形式違ってるかも)やM3ハーフトラックが登場。一説には英国ロンドン近郊の廃工場跡で撮影されたようですが、旧共産国家の戦車が何故登場するのか、どっから持ってきたのか、など想像力を掻き立てる作品ではありますな・・・。
【ファーザーランド】 「歴史にIFは禁物・・・」ってのは、フィクションにありがちなフレーズですが「もしナチスドイツが第二次大戦に勝ってたら・・・」という設定による作品な訳です。TV映画ですが良く出来た作品ではあります。私ATFは原作本を先に読んでいたんですが、まあそれほど原作との隔たりを感じさせられない仕上がりだと思います。物語はドイツが二次戦に勝利した後の世界が舞台。ヒトラー総統の満60歳の誕生日と、対米講和条約締結を間近に控えたベルリンで起こった殺人事件。捜査担当はベルリン刑事警察の警部(演じるはルトガー・ハウアー)まあ司法警察官=親衛隊員でもあるんですが、なんかおじさんの悲哀を感じさせる刑事・・・デカって感じで、エリートの親衛隊員てな雰囲気ではありません。この殺人事件の根底にもユダヤ人虐殺が関わってきます。ユダヤ資本が大きな影響力を持つ米国との講和を結ぶ上では虐殺問題は障害になる為、この架空ドイツ史上から抹殺されているんですが、その事実を巡る陰謀に巻き込まれていく主人公の警部と米国人女性ジャーナリスト。戦争映画ではありませんが、アルゲマイネ風軍服が多数登場って意味で興味深い作品です。
【英国は占領された】 この作品も〝IF戦記物〟の極み的作品です。軍装ファン絶賛の作品でもあります。でも1965年度カンヌ国際映画祭で〝青少年向映画国際批評家賞〟なんて凄い賞(よく解らん・・・という意見も)を貰ってるんですよ。原題は「IT HAPPENED HERE」直訳すれは「それは此処で起こった」ってトコでしょうか。原案・制作・脚本・監督に軍装界でも有名な考証・収拾家であるアンドリュー・モロー氏が関わっています。ストーリーは「ドイツに半分占領されたイギリス」が舞台。ロンドンの目抜き通りや名所旧跡の前で行進したり、記念撮影するドイツ兵たちの姿が記録ニュースフィルムの様に挿入されているのは、良く出来ています。また個人所有の〝ヤクトパンター〟駆逐戦車が登場するのは生唾モノ。一人の英国人女性が歴史の流れのなかで翻弄される姿が描かれています。独占領下英国のファシスト組織や義勇英国人部隊「ブラックプリンス」が登場。ラストの停戦交渉・捕虜交換シーンで、英国人パルチザン部隊に引き渡され虐殺されるブラックプリンス部隊の義勇兵たちが哀れです・・・。
【マ☆ウ☆ス】 ヨーロッパの小国と言えば、カジノとグランプリで有名なモナコ公国、ベルギー・オランダ・フランスに囲まれたルクセンブルグ大公国、スイスとオーストリアに囲まれ風光明媚なリヒテンシュタイン公国、カトリックの総本山バチカン市国、切手で有名なサン・マリノ共和国、スペインとフランスに囲まれたアンドラ国なんかが有名ですな。なんか小国って言うとロマンティックな雰囲気があって観光にはもってこいな訳です。で、この映画の舞台も、ヨーロッパの片隅にある架空の極小国グランド・フェンウィック公国です。ワインが唯一の産業資源という貧乏国ですが、カルフォルニア産模造ワインの流入により国家財政は破綻。すぐさまアメリカに抗議したものの、小国が故の悲しさ。まったく相手にされない。進退窮まった公国議会とフェンウィック王妃は、なんとアメリカ合衆国に〝宣戦布告〟どうせ勝ち目はないのは解ってる。そこで敗戦国へのアメリカの援助を当てにした、将に国家的〝詐欺〟行為な訳ですが、〝宣戦布告の書状〟を普通の国際郵便で送ったが為、単なるイタヅラとして処理されてしまいます。一応宣戦布告ということで、フェンウィック軍(普段ワイン作ってるおじさんたち)総勢20名を率いた総司令官バスコム元帥(肩書きだけはスゲェ~)がバスとオンボロ蒸気船を乗り継いで遥々ニューヨークに侵攻・・・ちょうどその時ニューヨークでは脅威の新型爆弾(原爆の数十倍の破壊力があるらしい・・・)への避難訓練の真っ最中。無人の街に上陸したフェンウィック軍御一行様がたどり着いたのは、新型爆弾を開発した博士の研究室・・・そして博士と娘と新型爆弾を手に入れた一行はサッサと帰国。新型爆弾の帰趨を巡って国際問題に発展し・・・何時の間にやら戦勝国に、って映画・・・ドタバタ喜劇です。そうそういい忘れましたバスコム元帥とフェンウィック王妃、公国首相(悪役)の三役を「ピンクパンサー」のピーター・セラーズが演じています。ATF個人的には「博士の異常な愛情」より、この「マ☆ウ☆ス」の方が好きですな(マウスの方が1959制作で古い)ピーター・セラーズ主演の他の戦争映画といえば「艶笑・パリ武装娼館」なんて、同じく一人七役のドタバタコメディがありますが、これについては、またいずれの日かに・・・。
【ブラス・ターゲット】 ちょっと架空戦記とは違いますね。二次戦終結直後に〝謎〟の死を遂げた〝猛将パットン〟を巡るサスペンスです。独敗戦後急速に関係が悪化する米英とソ連。その中にあって〝反共産主義〟を顕にするパットン将軍は連合国首脳にとっても目の上のたん瘤的存在。そんな中、渦中の将軍がいきなり死んでしまうのですからTVのワイドショーが飛びつくような話題です。物語は米軍が独軍より押収した美術品(金塊だっけ?)の強奪事件を巡り、強行捜査を主張するパットンに任命された捜査担当官(ジョン・カサヴェテス)秘密裏に事件を揉み消そうとする米軍情報部(指揮官役をロバート・ヴォーン)パットン将軍暗殺のために雇われたヒットマン(マックス・フォン・シドー)秘密を握る女性(ソフィア・ローレン)が物語を盛り上げます。特に寡黙なままに任務遂行を目指すヒットマンは「ジャッカルの日」のエドワード・フォックス演じる暗殺者に通じるトコがあります。唯一難点はパットン将軍役のジョージ・ケネディですか。コレはミス・キャストって思うんですけど・・・。さて、パットンの死の真実については「パットン大戦車軍団」でパットン将軍役を演じたジョージ・C・スコットが再びパットンを演じた「パットン将軍最後の日々」(1985)に詳しく描かれています。実際パットンは事故で即死ではなく、事故後10日以上の存命していたんですね・・・驚きですね。
「事実は小説より奇なり」とは良く言われますが、実際には小説も結構〝奇〟な訳です・・・な。派手な戦闘シーンが無くても、ワクワクする戦争映画やミリタリー映画はイッパイありますよ。レンタルビデオ店の陳列棚の片隅に眠る作品の数々。たまには騙されたと思って借りて観るのも一興では・・・。【物語は新たな章へと続く・・・】
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