2002年11月09日(土) 痛み


たまには真面目な話でもしようか。

私は大学で破産法なんていうのを勉強している。
そこで先生が言っていた興味深い話があった。

今現在お金が手元に1万円しか無いが、来月アルバイト代が入る。
ずっと欲しかったヴィトンのバックを見つけた。5万円である。
その横には偽物のヴィトンのバックが売っていた。1万円である。
あなたはカードで本物を買うか?それとも現金で偽物を買うか?それとも何も買わずに帰るか?

消費者心理とは恐ろしいもので、大抵の人は5万円の本物をカードで買ってしまうそうなのだ。実際、先生が何人かの学生をその場で指して答えさせたところ、5人中4人がカードで本物を買うと答えた。

カードで買うというとスマートな感じがするかもしれないが、結局のところ支払いを来月に先延ばしするための借金なのだ。
今ここで手持ちの現金がなくてもいい。それは大きな魅力だが同時に甘い罠でもある。

だから、私はクレジットカードを持っているけれど、滅多に使わない。使うのは海外に行った時と、オンラインで何かの申し込みをする時だけだ。
それでも、財布から現金を取り出さずに買い物をするというのは、恐ろしいことだと思う。何の痛みも残らない。お金を使ったという感覚さえない。

私は買い物をするたびに寒くなる財布と痛む自分の心を、大切にしたいと思う。


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