Diary
沙希



 『紙切れ3枚の重さ』

罪悪感なんて麻痺するものなんだって知った16の夏。

蜃気楼みたいな幻と共に消えてった時間。

ひくひくと他人の汗のにおいをかいだ午後、
左右に軽く2度振った右手を見て泣いた。

知らない煙草の香りが染みついた洋服と
手元に転がり込んできた3枚の紙切れ
赤の他人の感じの悪い笑い顔と
居心地の悪い温もりだけが残った。

あたしの君に対する想いなんてこんな程度で消え去る。

どんどん堕ちてゆけばそれで、君があたしを捨てた理由が成立する。

あたしのココロのスイッチなんてもういつからか切ったままだし。

あたしのカラダの価値なんて3枚の紙切れ。

あたしの君への想いだって、今では3枚の紙切れの重さ。

握り締めた手でぐしゃぐしゃになった3枚の紙切れを
あたしは潔くゴミ箱に捨てたかったのに。

捨てたかったのに…。

2003年02月14日(金)
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